「両正条植え」、「アイガモロボ」 2024農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2024年12月23日
農林水産省は12月20日、2024年農業技術10大ニュースを発表した。
農業技術10大ニュースは、民間企業や大学、公立試験研究機関、国立研究開発法人の研究成果のうち、内容が優れており社会的関心が高いと考えられる10の成果を農業技術クラブ(農業関係専門紙・誌など30社加盟)の加盟会員による投票で選んでいる。
【トピック1】
「両正条植え」で縦横の機械除草が可能に
農研機構は水稲の苗を等間隔の碁盤の目のように植える「両正条植え」の技術を開発した。これによって縦方向にも横方向にも苗がそろう。これまでは乗用除草機は田植え機が走った方向にしか走れなかったが、苗が碁盤の目状に植えられることで除草機を縦にも横にも走らせることができるようになった。
これによって条間だけでなく株間の機械除草が可能となるため除草効果も向上した。除草の手間が課題となっていた水稲の有機栽培で省力的な機械除草ができるようになり、有機栽培の取り組み面積拡大への貢献が期待される。
【トピック2】
アイガモロボでらくらく除草
自動抑草ロボット「アイガモロボ」は、推進用スクリューが泥を巻き上げることで生じた濁りが雑草の光合成を阻害し育成を抑制する。開発した(株)NEWGREEN(旧有機米デザイン)と農研機構、井関農機、東京農工大が2年間にわたり、全国で36か所(秋田~鹿児島)で実証試験を行った結果、人が機械を使って行う除草回数は従来の有機栽培と比べて約6割減少するとともに、雑草による減収が回避されて収量が1割増えることが確認された。
十分な効果を得るためには、ほ場の均平を確保するとともに、アイガモロボが稼働できる5センチ程度の水位を維持することが求められるが、雑草防除が省力化され、有機栽培の面積拡大に貢献すると期待される。
【トピック3】
スラリと直立! りんご新品種「紅つるぎ」を開発
農研機構は枝が横に広がらずコンパクトな円筒型の樹姿となるりんご「紅つるぎ」を開発した。枝の伸長が少なく樹の構造も単純なため、横一列に配置することで作業動線を単純化でき栽培における管理作業の作業性改善が可能となる。
スマート農業技術との相性もよく、規模拡大、収益向上が期待される。
【トピック4】
国内初 農業に特化した生成AIを開発
農研機構、北大、キーウェアソリューションズ(株)、三重県農業研究所、(株)ソフトビル、(株)ファーム・アライアンス・マネジメントは農業の専門知識を学習させた生成AIを開発し三重県でイチゴを対象に実証試験を開始した。
サービス提供を全国規模で行えば、より高度な技術指導や農業情報を受け取ることができ、新規就農者の育成など、農業の持続にも貢献すると期待される。
【トピック5】
餌探しを諦めないタイリクヒメハナカメムシを育成

農研機構は害虫・アザミウマ類の天敵となるタイリクヒメハナカメムシには餌場に留まる時間が長い個体と短い個体があることを発見した。生物農薬としての利用には、すぐには餌を諦めず長時間にわたり害虫を粘り強く探索して捕食する個体が向くと考え、餌探しを諦めない個体の選抜・育成技術を開発した。
通常の個体を放飼したときよりも葉に生息するアザミウマの数が少ないことが分かり、害虫に対して防除効果が高いことが示された。
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