【特殊報】トマト青かび病 県内で初めて確認 栃木県2025年12月16日
栃木県農業総合研究センターは、トマト青かび病の発生を県内で初めて確認したことを受けて、12月15日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第2号を発表した。
栃木県農業総合研究センターによると、10月に栃木県内の施設栽培のトマト(品種:かれん)において、青緑色のかびが表生し、茎が激しく腐敗する病害が確認された。罹病茎から菌を分離し、ITS領域の塩基配列を解析したところ、トマト青かび病の病原であるPenicillium oxalicumと一致した。
同病は、2006年に千葉県で発生が確認されている。
病徴としては、芽かきや葉かき後の傷口から褐変・枯死が始まり、その後、症状は主茎に進展。主茎に暗褐色の病斑(写真1)が形成され、病斑上には青緑色の分生子(写真3)が密生し、腐敗する。
左から、写真1:茎に暗褐色の病斑、写真2:葉にクロロシス状の斑点、写真3:分生子
(提供:栃木県農業総合研究センター)
病斑が拡大すると内部組織まで褐変し、植物体は萎れやすくなる。罹病茎近くの葉にはクロロシス(写真2)が生じ、黄白色のかすれ状斑点が認められる。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)施設内の湿度管理と換気を徹底し、過湿を避ける。
(2)発生ほ場で使用した各種資材は、資材消毒剤等での消毒を徹底する。
(3)発病株は見つけしだい抜き取り、肥料袋等に詰めて空気を排出し、口をしっかり閉じる。その後、日当たりのよい野外に放置し、嫌気的発酵処理後に処分する。
(4)12月10日現在、同病に対して登録のある薬剤はないため、上記の耕種的防除を徹底する。
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