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スポット取引価格が暴落、一気に2万円トビ台まで値下がり【熊野孝文・米マーケット情報】2026年1月27日

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先週末の1月24日に成田市で開催された業者間の席上取引会で茨城コシヒカリが持込み条件で2万900円から2万1200円(税別)で6車取引が成約したほか、にじのきらめきが2万500円まで値が下がってようやく1車成約した。年が明けたら市中相場も落ち着くとの見方もあったものの、実際には落ち着くどころか下げが加速し、文字通り「底が抜けた」ようになっている。取引参加者によると産地業者は売りを先行させているが、買えば下がるの連続で買い手も手を出せない状況になっているという。

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「この価格が安いのか?それともこれが相場なのかわからなくなった」と玄米卸が正直な感想を述べているようにあまりにも下げが激しく市中相場を捉えることが出来なくなっている。

クリスタルライスの取引会が1月15日に開催されたが、この時も売り唱え価格は同じ秋田あきたこまちで高値は2万9800円であったが、安値の売り物は2万3660円で、高値と安値では6000円以上の差があったのだから相場の居どころがわからなくなるのも無理はない。実際、この業者は福島コシヒカリの売りものが安いと思って1週間前に買ったものの、そこからすでに3000円も値下がりしたという。「安いと思って買うと次の日から値下がりするので怖くて手が出ない」と言う心境になるのも無理はない。こうした心境になるのはこの業者だけではない。

スーパーに白米を供給している卸は、市中の安い玉をスポットで買い付けて、それをスーパーに提案しても良いが、そうすると高値で買って在庫してある玉が捌けなくなる。また、安いと思ってロング(先買い)するにしても買い入れの資金には限度があるとしており、市中相場が落ち着いて在庫が少しでもはけるようにならない限り先行きの分までは買う気が起きないといったところ。

それにしても年明け早々のあまりにも急激な値下がりで、その原因の理由付けがすべて後付けになりそうで追い付けないが、あえて指摘するなら第一に価格の高騰に伴って供給量が増えたことが挙げられる。7年産主食用米の生産量は前年産に比べ67万6000tも増え746万8000tになった。それに加え備蓄米の売却が約60万t、外国産米がSBS前倒し輸入で10万t、関税払いの輸入量が9万2000tなど農水省需給見通しに供給量として計上されないコメの数量が急激に増えたことが挙げられる。

最新のマンスリーリポート(8年1月号)を見ると、昨年11月末現在の民間在庫数量は前年同期に比べ70万tも多い329万tにまで積み上がっている。集荷数量は前年同期より27万3000t多い218万4000tになっているのに対して、販売数量は37万5000tで前年同期に比べ7万5000t少ない。全農系統の7年産販売数量は前年同期に比べ3割も落ち込んでいる。集荷数量は多くなったが新米が売れていないというのが現在の姿である。

消費はどうかと言うと米穀機構のコメの消費動向調査によると昨年11月の1人当たり1か月の購入数量は、家庭内消費が3045g、中食・外食が1614g、合計4659gになっている。前年同月との比較では家庭内消費が11.7%減、中食・外食が0.7%増、合計7.8%減になっている。米穀機構の調査では昨年4月から11月まで8カ月連続で前年同月を下回っており、コメの消費減少が鮮明になっている。
民間調査会社が「お米が高くなって変わったこと」という面白い調査を行った結果をまとめている。それによると「安ければどんなお米でも買うようになった」(18%)、「特売されているときに買うようになった」(32%)、「お米の銘柄にこだわらなくなった」(41%)、「お米の産地にこだわらなくなった」(31%)、「海外産のお米を食べるようになった」(6%)、「新しい銘柄・品種を試しづらくなった」(14%)、「まとめ買いするようになった」(9%)、「使う分だけ買うようになった」(22%)、「お米を買わなくなった」(9%)という回答になっている。

数字の捉え方は、見方によってざまざまだろうが銘柄にこだわらなくなった41%もインパクトがあるが、何よりも衝撃的な回答は「お米を買わなくなった」と答えた人が9%もいたということだろう。

平成5年の大凶作後の価格高騰、さらには外国産米の抱き合わせ販売を強行したことにより、コメの消費が一気に減退、その後のコメ消費減のレールを敷いてしまった。令和の米騒動も間違った需給見通しのもとに減反を強行し続け、供給不足を招き価格高騰を引き起こした。その結果、お米を買わなくなった人が9%いる状況を作り出し、短時間のコメ余りで暴落させている。こうした混乱を生み出すくらいなら食糧法も必要なければ毎年莫大な予算をつぎ込んでコメの生産を調整する必要もない。

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