『食料・農業・農村白書』「米特集」の概要明らかに 検証踏まえ今後の方向記載 「流通悪玉論」への反省希薄2026年3月13日
2025年度『食料・農業・農村白書』の概要案が明らかになった。巻頭に置かれた特集「米の安定供給に向けた対応」では、「令和の米騒動」と農水省の対応を振り返り、統計改革やコスト指標作成、民間備蓄創設検討にふれるが、「流通悪玉論」の反省や米農家を支える抜本策は希薄だ。
『食料・農業・農村白書』概要や食糧法改正案骨子を了承した自民党の総合農林政策調査会・農林部会合同会議
(3月13日)
コスト指標作成や需要創出打ち出す
農水省は3月13日、2025年度『食料・農業・農村白書』の概要案を自民党の総合農林政策調査会・農林部会合同会議で示し、了承された。
これまでの部会等で出された「現在の事象だけでなく、将来の希望が持てるよう、反省も含め、工夫して記載すること」との意見に応え、同省は「検証を含め、今年度の取組や決定した方向性につき記載」としている。
特集では米の需給ギャップから米価が高騰した経過を踏まえ、生産量が足りていると認識していたため流通実態の把握に消極的で、マーケットへの情報発信や対話が不十分で、備蓄米放出も遅れ、さらに米価格が高騰したと振り返った。
備蓄米売り渡しや流通実態緊急調査の実施、統計調査の見直し(作況単収指数の創設)などの取組を説明。「今後の方向」として、食料システム法にもとづく米のコスト指標作成や米粉活用、輸出促進などの需要創出、民間備蓄制度創設の検討を記載する。
効率化説くも「多様な農業者」への支援希薄
事実経過や取組の説明はていねいで、自民党合同会議では「評価する」との声もあがった。だが、政府・農水省が「米は足りている」と強弁しただけでなく、「流通悪玉論」を振りまいたことへの反省は希薄だ。
水田農業の維持と食料安全保障の確保には、中山間地も含め多様な農業者と村落を守ることが重要になる。だが特集では、より効率的な生産体制の構築として大区画化や新たな技術の確立にふれるにとどまり、セーフティネット拡充には言及がない。
『白書』の概要案は今後、食料・農業・農村政策審議会企画部会で議論し、5月頃、閣議決定し国会に提出される。
食糧法改正案骨子も了承
合同部会では「需要に応じた生産」や民間備蓄創設を含む食糧法改正案の骨子も了承された。
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