【特殊報】果樹などにチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 兵庫県2025年12月16日
兵庫県病害虫防除所は、果樹類、樹木類にチュウゴクアミガサハゴロモの発生を県内で初めて確認。これを受けて、12月16日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
兵庫県病害虫防除所によると11月中旬、兵庫県播磨地域のかんきつ園地において、種不明のハゴロモ類の成虫および同虫が枝に産卵している様子を確認。採集した成虫を当所で同定したところ、兵庫県では未確認のチュウゴクアミガサハゴロモであることが判明した。
その後の調査で、県内各地の果樹類(かんきつ、なし、ぶどう、もも、くり、いちじく等)や樹木類等の幅広い作物において同種の発生が明らかとなった。なお、慣行栽培を行っている果樹園では経済的被害が発生した事例は認められていない。
同種は中国原産で、ドイツ、フランス、イタリア、トルコおよび韓国などで分布が確認されている。国内では2017年に大阪府で初めて発生が確認されて以来、現在までに関東以西の本州、四国と九州の27都府県で病害虫発生予察特殊報が発表されている(12月10日現在)。
写真1:成虫の側面(左)と背面(提供:兵庫県病害虫防除所)
チュウゴクアミガサハゴロモはカメムシ目ハゴロモ科の昆虫。成虫は体長14~16mmで、前翅は黒褐色~茶褐色をしており、前翅の前縁中央部に三角形の白斑を有する(写真1)。幼虫は白色で、綿状の蝋ろう物質の毛束を背面の腹部から胸部にかけて広げる(写真2)。産卵痕は、白い綿状の蝋物質で覆われる(写真3)。
左から、写真2:幼虫、写真3:産卵痕(提供:兵庫県病害虫防除所)
生態としては、極めて広食性で、かんきつ、なし、ぶどう、もも、いちじく、かき、くり、ブルーベリー、りんご等の果樹類の他、茶や樹木類など多くの木本植物への寄生が報告されている。年間発生世代数など、生態は不明な点が多い。
成虫、幼虫ともに枝を吸汁加害し、個体数が多くなると糖分を含んだ排せつ物に糸状菌が繁殖し「すす病」が生じる。また、成虫は樹皮を剥いで産卵するため、細枝の枯死や樹勢の低下等の被害が生じることがある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)12月10日現在、本種に対して登録のある薬剤はないため、物理的防除対策が基本となる。
(2)園内を注意深く観察し、成虫、幼虫は見つけ次第捕殺する。
(3)産卵痕がみられる枝は切除して園外に持ち出し、土中深くに埋設するか焼却処分する。
(4)本種は樹木類にも寄生するため、園地周辺の防風樹や庭木、雑木等も観察し、寄生を確認した場合には上記のとおり対処する。
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