米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日
米穀卸の株式会社鳥取県食(鳥取県倉吉市)が12月11日、鳥取地裁倉吉支部から特別清算命令を受けた。負債総額は約6億5400万円。同社は2024年11月に事業を停止した。
競争激化に米価上昇が追い打ち
帝国データバンク鳥取支店によると、鳥取県食は1996年に設立された米穀卸業者で、鳥取県食糧事業協同組合から営業権を引き継いで事業を開始した。県内トップクラスの米卸で、自社ブランドとして「氷温米」を販売するなどし、2004年3月期には年売上が34億円を超えていた。
しかし近年、食品ディスカウント店進出が県外から複数進出して鳥取県食の納入先が減るなどし、2023年9月期の年売上が約7億円まで落ち込んで赤字転落した。有利子負債が経営を圧迫する中、米価高騰で仕入れ資金が増えて資金繰りが行き詰まった。
2024年11月に事業を停止し、2025年8月8日、株主総会で解散を決めた。負債総額は約6億5400万円にのぼる(2023年9月期末時点)。
膨らむ仕入れ資金、迫られる損切り
鳥取県食が事業停止した直前の2024年10月には、鳥取県の「きぬむすめ」の相対取引価格は玄米60kg当たり出回りからの平均で2万728円(前年比144%)、同じく「コシヒカリ」は2万912円(前年比139%)だった。相対取引価格で集荷業者から同量を仕入れる場合、1年前と比べ約4割仕入資金が膨らんだ。
鳥取県食の経営が行き詰まった原因ではないが、米価はその後も上昇し、2025年10月には、鳥取県の「きぬむすめ」の相対取引価格は出回りからの平均で3万6111円(前年比161%)、同じく「コシヒカリ」は3万6517円(前年比167%)となった。別の卸がこの秋、相対取引価格で前年と同量の玄米を仕入れる場合、1年前より6~7割仕入資金が膨らむことになる。
加えて、25年産の新米は動きが鈍くスポット価格も下がり続けているため、年末年始から26年3月末にかけ、高く仕入れた米を赤字でも処分し現金化する損切りに踏み切る取引業者が増えるとみられている。
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