「このままでは暴落」 神明社長、米生産者大会で 消費減退に懸念2025年12月4日
「このままいけば(米価格が)暴落するのは間違いない」。大手米卸・神明ホールディングスの藤尾益雄社長の発言が注目を集めている。
「過去にないくらいの在庫」
藤尾社長は12月2日、新潟市内で開かれた米生産者大会で講演し、「このままいけば(米価格が)暴落するのは間違いない。どこまで暴落するかはわからないが、かなり暴落する可能性はある」と語った。根拠に挙げたのは、2026年6月末の米の民間在庫が最大で229万tと「過去にないくらい最大になる」と見通されること。これは、直近10年で最も在庫が高かった2015(平成27)年の226万tに匹敵する。
生産者大会を主催したJA新潟市は「藤尾社長のお話は生産者がみな感じていることだ。農協からの新米の出庫も、最近は戻ったが、遅れている状況だった」(米穀課)と話す。新米の売れ行きは全国的に芳しくなく、それが出庫遅れの一因とみられる。
スーパー店頭価格は下がるのか
藤尾社長は講演で、大阪の小売で「5kg3480円」で売られていた例を紹介した。兵庫県内でも「5kg4000円を切る米も時々見かける」(取引関係者)といい、東京都内のあるディスカウント系量販店では「ななつぼし」の新米が5kg3980円、別の量販店では複数原料米(国産)が5kg3760円で売られていた(12月3日)。小売段階での下落が部分的に始まったようにも見えるが、「精米で仕入れた量販店は、精米日から1ヵ月以内に売れないと価格を下げざるを得ない」(別の取引関係者)との見方も根強い。精米後は酸化が進むため、おいしく食べられるのは冬場で精米から1~2ヵ月とされるためだ。
農水省によれば11月17日の週のスーパーでの価格は精米5kg当たり4312円。総務省の調査では、東京23区内では11月、コシヒカリが5kg5448円、それ以外が5323円と、いずれも高止まりしている。先の講演で藤尾社長は、高値で米離れが広がると大暴落につながりかねないとし「みんなで5kg3500円で売れるようにしていかないと」と呼びかけた。
来年も「最低保証を早期提示」検討
問題は下落がどこで止まるか。
米の過剰感、先安観が強まる中、商系集荷業者の撤退が相次ぐ。県内の米農家は「商系集荷業者が『これ以上倉庫に入らない』と言って、集荷をキャンセルしてきたと聞いた」と話す。
そうした中、全農にいがたは2026年も概算金(全農がJA、JAが生産者に集荷時に払う仮渡金)の「最低保証額」を作付前に提示することを検討している。「来年の集荷競争は様変わりしそうだが、保証額を早く示すことで生産者が安心して作付できるようにしていくことがJAの役割だ」とJA新潟市米穀課の担当者は話す。
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