JA全農に全国労働力支援協議会 基調講演で「地域の持続可能性につなげて」2022年3月7日
農業労働力支援を通じて地方創生・地域活性化を目指すJA全農の全国労働力支援協議会が3月4日、設立された。設立総会では、元農水事務次官で「農福連携等応援コンソーシアム」の皆川芳嗣会長が基調講演を行い、「人口減少などが進む中、地域の持続可能性に向けてぜひ一肌脱いでほしい。それによってSDGsの活動にもつながる」と協議会の活動にエールを送った。
「全国労働力支援協議会に望むこと」と題して行われた基調講演で、皆川会長ははじめに「労働力支援と農福連携は強い重なりがあり、ともに活動したい」と述べ、連携して農業現場などの労働力確保などに取り組みたいと強調した。
皆川会長は、背景には全国的に進んでいる人口減少があるとして、「あらゆる産業が持続可能性の危機に瀕している。農業もその一つつだが、農業分野だけの努力で克服するものではない」と指摘、同様に福祉の現場でもオフィスのオートメーション化で内職系の仕事などがなくなっていることに触れて、「産業分野ごとの縦割りにはまらず、それを乗り越えることで解決の道筋が見えてくる」と農福連携の意義を述べた。
また、農政をめぐっても「農政の1丁目1番地は持続可能性だが、労働力の問題を考えないと進むものではなく、まさに労働力支援は大きな課題といえる」と述べ、協議会の活動に期待を示した。
一方で、労働力支援を進めるうえで留意すべき事項として、「見える化」や「労働安全衛生」などを指摘した。「見える化」の具体的なエピソードとして、多くの知的障害者を雇用してチンゲン菜の栽培に成功しれいる企業では、はじめに特別支援学校の教師が定規を使ったことでうまく植え付けが進んだ事例を紹介し、「こうした作業手順を見える化することが重要で、健常者の労働生産性向上や収益力のアップにもつながる。障害者や外国人が入ることも踏まえて作業手順を見直しながら経営体の能率アップにつなげてほしい」と提言した。
さらにSDGsに関連したJAの役割に言及し、「JAが地域に不可欠な存在であると理解してもらうことが必要。そのために地域の持続可能性のためにぜひ一肌脱いでほしい。それがSDGsの活動にもつながるのであり、協議会の設立を機に具体的な取り組みを進めてほしい」と期待を述べた。
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