群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
浅間山の噴火で村が埋められた嬬恋村は、同じくヴェスヴィオ山の噴火で埋められた町、ポンペイとの交流を10年ほど前に始めました。
毎年嬬恋の子供たちの作品をポンペイの学校に届け、ポンペイの子供たちの作品が嬬恋に送られてきます。そうした長年の子供同士の交流の結果、2022年7月には嬬恋村の熊川村長がポンペイ市を訪問、正式に交流協定を結びました。
作品を持つ生徒
そして今年は2月に嬬恋の子供たちの作品がポンペイのアメデオ・マイウーリ校中学部に届けられ、5月には同校の生徒の作品が嬬恋に送られました。
子供たちの作品にはヴェスヴィオ山と浅間山が並んで描かれている作品など、日本とイタリアそして嬬恋とポンペイ、二つの国と二つの町の友好が楽しそうに描かれています。
カルミネ・ロ・サピオ ポンペイ市長
カルミネ・ロ・サピオ ポンペイ市長
「ポンペイ市と嬬恋村が結んだ姉妹都市の絆は、友情と協力の気持ちから生まれたもので、私たちの地域同士に特別なつながりを作ってくれました。子どもたちの絵や文化交流、そして自由な発想を通じて、お互いの距離は離れていても、心はしっかりつながっています。
ポンペイは世界的に有名な遺跡があるだけではなく、今も人々が暮らし、スピリチュアルな空気や伝統を感じられる活気ある街です。街の中心にある聖母マリアの聖堂や、古代ローマの時代から受け継がれた美味しい郷土料理など、ここでしか味わえない魅力がたくさんあります。
ぜひ嬬恋村のみなさん、そして日本のみなさん、ポンペイに遊びに来てください。歴史や文化、そしてあたたかいおもてなしが、皆さんをいつでも歓迎します。」
ポンペイ市の大聖堂
ポンペイの遺跡を訪れたことがある人は多いでしょう。しかしこの遺跡を市内に持つポンペイの町を訪れたことのある人はあまりいません。
しかし市長が話しているように、この町には古代ローマにちなんだ美味しい食べ物やワイン、そして遺跡やヴェスヴィオ山、ナポリ湾を見渡すことが出来る高さ80メートルの鐘楼(エレベータ付き)を持つ大聖堂などがあります。
そんなポンペイでおすすめの一つはナポリ料理に古代ローマの感覚を取り入れたMERCATO POMPEIANO(ポンペイの市場)。
オーナーは「古代ポンペイの居酒屋は色々な料理や飲み物を提供し、市民がおしゃべりをする場所でした。そこでは物語やニュース、意見、そして秘密さえも話し合われていました。ピッツェリアとレストランを備えたMERCATO POMPEIANOでは、現代の「市民」が、古代の商店街を歩いているかのような感覚を味わうことが出来ます。」と自慢する。
そしてレストラン」・カウポナ(Caupona古代ポンペイ人が日常的に食事をしていた食堂のこと)。
壁にはフレスコ画がかかれ、忠実に再現された椅子、テラコッタ製の器、そして伝統的なカップや小さなアンフォラ(壺)で提供されるワインなど、古代ローマの伝統料理を本物の食材で巧みに再現した料理を味わうことができます。
カウポナ・レストランの内部
ポンペイの遺跡は「ポンペイ考古学公園」と呼ばれ文化省が管理しており、現在ローマ時代の農業技術や作物を再現・保存するプロジェクトが進行中、以下のような取り組みが行われています:
ブドウ栽培の復興:古代の品種を用いたブドウ畑の再現。
オリーブの管理とオイル生産:イタリア・オリーブ協会との協力により、60本のオリーブの木が管理され、オイルの生産が行われています。
教育的菜園:古代の農業知識を学ぶための教育菜園が設置され、ローマ時代のプルニウスやコルメラの著作を基にした栽培が行われています。
ポンペイ遺跡内のブドー畑
ポンペイ周辺の土地はヴェスヴィオ山の噴火による火山性土壌によって、とても肥沃であり、ローマ時代から現在まで農業が盛んです。
ポンペイと嬬恋は噴火で埋もれただけでなく、嬬恋のキャベツやポンペイのワインや果物、野菜のような地味豊かな火山性土壌で作られる美味しい作物にも共通点があるようです。
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