水稲新品種「ZR1」農研機構と開発 いもち病に強く縞葉枯病抵抗性 JA全農2023年12月7日
JA全農と農研機構は12月6日、早生の業務用多収品種「ZR1」を共同で育成したことを発表。東北以南向けに作られた品種で、いもち病に強く、縞葉枯病抵抗性を持つ。
「ZR1」の株標本。左からZR1、あきたこまち、ゆみあずさ(撮影:農研機構)
JA全農は、生産者の営農の安定・所得の拡大に加え、拡大する業務用需要に対応するため、実需者からのニーズに応じた契約栽培など、生産提案型事業を進めている。
契約栽培の取り組みを進める中で、実需者からは「良食味で加工適性の高い米を使用したい」、また生産者からは「作期分散が可能で栽培しやすい早生品種を提案してほしい」などの要望が多いことから、JA全農は農研機構と共同で新品種の開発に着手。耐倒伏性があり、病害に強く、多収で良食味の早生品種の育成を進めてきた。
新品種の「ZR1」は、秋田県大仙市にある育成地(農研機構東北農業研究センター)において「あきたこまち」、「ゆみあずさ」と同程度の熟期で、収量は標肥移植栽培では663kg/10a。また、多肥移植栽培では767kg/10aで、東北地域で広く栽培されている「あきたこまち」より約2割多収。現地試験では最大で823kg/10aの収量が得られた。
葉いもち・穂いもちのいずれに対しても抵抗性はかなり強く、縞葉枯病抵抗性があるため、関東以西を含む幅広い地域での栽培が期待できる。また、食味は「あきたこまち」と同程度の良食味。玄米千粒重は「あきたこまち」より2グラム程度大きく、現地試験では最大で26グラム程度と大粒の品種となる。
「ZR1」の籾および玄米(秋田県大仙市、令和4年産)左からZR1、あきたこまち、ゆみあずさ(撮影:農研機構)
品種名の「ZR1」は、今後の日本を担う若い世代(Z世代)をはじめ、生産者・消費者に広く浸透して欲しい、JA全農(ZEN‐NOH)が開発した、究極のお米(Rice)の第1号として命名された。
JAは今後、中食や外食を中心とした業務用実需者に対して同品種の提案を進めており、令和8年産までに東北・北陸~関東地域を中心に250ヘクタール、令和10年産までに1000ヘクタール以上の作付けを目指す。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日




































