【特殊報】ウメにクビアカツヤカミキリによる被害 県内で初めて確認 三重県2025年6月27日
三重県病害虫防除所は、ウメにクビアカツヤカミキリによる被害が県内で初めて確認されてため、6月26日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
(提供:三重県)
三重県病害虫防除所によると、6月16日に北勢地域の果樹園のウメ4本において、クビアカツヤカミキリの加害によると疑われるフラス(フンと木くず)の排出が確認された。同23日にフラスが排出されている木から幼虫を採取し、クビアカツヤカミキリであることが確認された(図1)。
クビアカツヤカミキリは、県内では2019年に木曽岬町、2024年に桑名市と四日市市の街路樹および公園のサクラにおいて寄生が確認されている。県内の果樹園でクビアカツヤカミキリによる被害が確認されたのは、今回のウメでの事例が初めて。
2012年に国内で初めて発見されて以来、15都府県で発生が確認。発生地では、公園等のサクラや果樹園のモモ、スモモ、ウメ等が枯死する被害が確認されている。
(提供:三重県)
クビアカツヤカミキリの成虫は全体に光沢のある黒色で、赤い胸部と長い触角が特徴。体長は2.5~4cm(図2)。幼虫が入り込んだ樹木からは、ひき肉状につながったフラスが排出される(図3)。フラスは拡大すると、均一な大きさで、木を薄く削ったような形状(図4)で、特に6月から9月によく見られる。幼虫期間は基本的に2年間。成虫は6月から8月頃に見られる。
樹皮の亀裂やめくれのあるところに産卵し、産卵数はが非常に多く、1匹の雌が1000個以上の卵を産むこともある。幼虫は幹の表面から少し内側にある内樹皮の部分を加害し、樹幹が全周にわたり加害されると樹木が枯死する。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)成虫を発見した場合は、直ちに捕殺すること。外来生物法により、生きたまま持ち運ぶことは禁止されている。
(2)成虫の脱出、分散を防ぐため、被害樹を発見した場合は、目合い4mm以下のネットを地際部から1mから2m程度の高さまで2重に巻き付ける。
(3)防除法には、被害樹の伐採、フラス排出孔への薬剤注入、成虫を対象とした薬剤散布などがある。詳細については、国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所の「クビアカツヤカミキリの防除法」で確認できる。
※農地で成虫や被害が疑われる樹木を発見した場合は、三重県病害虫防除所(電話)0598-42-6365に連絡を。
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