【注意報】「オオタバコガ」フェロモントラップに多誘殺 速やかな薬剤防除を 北海道2025年6月23日
北海道病害虫防除所は、オオタバコガがフェロモントラップに多誘殺されていることから、6月20日に令和7年度病害虫発生予察注意報第2号を発表した。
北海道病害虫防除所によると、6月上旬から長沼町、比布町のフェロモントラップでオオタバコガの誘殺が平年より多く推移。高温経過では1か月ほどで次世代が発生し、更に多発するおそれがある。なお、同種は道外から成虫が長距離飛来することが知られており、現在誘殺が認められていない地域でも発生に注意が必要。
幼虫は広食性でスイートコーンやトマト、ピーマンなどの果菜類、レタス、キャベツ、ブロッコリーなどの茎葉菜類、花き類を食害する。葉、芽の他に果菜類や花き類の商品部位である蕾、花、果実を好んで食害。果実や蕾に穿孔し、頭部が入るくらいの穴から食入した後に付近の果実などに移動し次々に食害するため、果菜類や花き類では被害が拡大しやすい。また、スイートコーンでは雌穂に包葉部から穿孔する他に絹糸抽出部から食入して子実を加害することもあり被害に気付けない場合は出荷後に幼虫が混入する被害となる。果実等への被害を防止するため、薬剤防除は成虫発生期からふ化幼虫を対象に早めに実施することが重要。
◎注意報発令の根拠
6月19日現在、長沼町、比布町、北斗市でフェロモントラップに成虫誘殺が確認されている。長沼町、比布町では平年よりも誘殺数が多く推移している(表1)。札幌管区気象台が6月12日付けで発表した1か月予報によると、向こう1か月の気温は平年より高くなると予報されている。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)幼虫は作物体に食入することから被害確認後の薬剤散布では効果が得にくい場合がある。すでにフェロモントラップへの成虫誘殺が確認されているため、ふ化幼虫を対象に速やかに防除を実施する。また、薬剤抵抗性が発達しやすいので、ローテーション防除をおこなう。
(2)摘芯や摘果した脇芽や幼果に卵や若齢幼虫が付いていることがあるため、これらは放置せずにほ場外に持ち出して処分する。被害果実内に幼虫が食入していることがあるため、被害果実も同様にほ場外に持ち出して処分する。
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