JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(38)【今さら聞けない営農情報】第304回2025年6月28日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考えています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。すでに、水に希釈して散布する剤型を題材にそれらを効率的に作物へ付着させる方法について整理しました。現在は、製剤をそのまま散布する農薬の散布機械をご紹介しています。
2.動力散布機
前回までに製剤をそのまま散布する農薬の手動散布法を紹介しましたが、今回からは、現在の農薬散布作業の標準である動力散布機を用いた散布法を紹介します。動力散布機は、内燃機関や電動モーターを動力にした散布機であり、手動よりも格段に散布可能面積が大きく、効率の良い散布方法です。なにより、散布にかかる労力を大幅に軽減できることがメリットになります。
(1)動力散布機の種類 粒剤や粉剤など製剤そのものを散布する装置で最も普及しているものには、背負式動力散粒機や背負式動力散粉機といったものがあります。これらはいずれも4~20kg程度の容量を持つ薬剤タンクと動力源(内燃機関、電動モーター)を組み合わせた機械です。一度に積める薬剤量は最大20kg程度と少量であり、数百kgといった単位の薬剤を大型タンクに入れて散布できる機械はありません。肥料散布時に使用する機械であれば、ブロードキャスターといった大量の固形物を散布できるトラクター装着タイプの機械がありますが、ブロードキャスターは、少量を均一に散布することは機構上難しいので、これを農薬の散布に使用することはほとんどありません。つまり、10aあたり数10kg~数100kg単位で散布する肥料や土壌改良材と比べ、農薬の粒剤や粉剤の10aあたり散布量は1~3kg程度と少ないので、少量散布に向く小型散布機が使用されます。例えば水稲除草剤1キロ粒剤であれば、背負式動力散布機に20kgを積載すれば1回の積載で連続して2haを散布できます。この2haという数字は、田植機1台あたりの1日あたり田植え可能面積と同じであり、除草剤など田植え後何日で散布するなど田植え日起点で処理する場合に好都合なのです。 次回以降、具体的な散布機械をご紹介いたします。
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