国内草刈り市場向けに新製品 欧州向けはモデルチェンジ 井関農機2025年12月16日
井関農機は景観整備市場での乗用モーア(芝・草刈り機)の販売を強化する。国内向けには、欧州で高評価を得ている「SXG216」を発売し、欧州向けはディーゼルの「SXG216-7」と電動の「SXGE2-7」をモデルチェンジする。
コンパクトなエントリーモデル
国内ではすでに上位機種「SXG327」を展開しており、「SXG216」は、よりコンパクトでシンプルな構成としたエントリーモデル。本体とコレクタ(集草機)を一体化した設計で、ショートホイールベースとショートオーバーハングにより、狭い場所でも高い取り回し性能を発揮する。発売は2026年4月を予定し、オープン価格。
エンジンには高耐久なディーゼルエンジンを搭載し、最大出力は13.6PS。HSTトランスミッションを採用し、反応の良いスムーズな走行を実現した。前後進は2ペダル方式で、直感的な操作が可能だ。
モーアデッキは刈幅40インチ(1016mm)のセンター排出方式。ブレードのオーバーラップ量を大きく確保し、刈り残しの少ない仕上がりを実現する。集草機には容量320Lのローダンプ式コレクタを搭載し、連続作業性を高めた。電動シリンダによるコンテナ開閉により、満杯時でも操作負担を軽減する。
安全面では、作業者が離席するとエンジンが停止するシートスイッチを装備。ROPS(転倒保護構造)とシートベルトを標準装備し、シートベルトリマインダー機能で着用を促す。モーアデッキには洗浄用コネクタを設け、日常メンテナンスにも配慮した。
欧州の環境・安全ニーズに対応
「SXG216」
「SXG216-7」は、「SXG2シリーズ」のエントリーモデルとして、プライベートユーザーからセミプロ層まで幅広く支持されてきた。モデルチェンジでは、環境・安全意識の高い欧州ニーズに対応する改良を実施。再生可能ディーゼル燃料であるHVOに対応し、環境負荷低減に配慮した。発売はいずれも2026年3月を予定している。
操舵荷重低減ギアの採用によりステアリング操作性を向上。後進草刈り可能スイッチの配置見直しや、スライド付きシートの採用で、操作性と居住性を高めた。ROPSとシートベルトに加え、シートベルトリマインダー機能を標準装備し、安全性を一層強化している。さらに、左側ハンドグリップを追加し、傾斜地での安心感を高めた。
モーアデッキは2ブレードのセンター集草方式を採用。最低刈高さを従来の30mmから25mmに変更し、サッカー場などの用途にも対応できる。最高時速11kmの走行性能と高い登坂力により、効率的な作業を可能としている。
「SXGE2-7」
「SXGE2-7」は、EUの脱炭素の流れを受け、本格的に市場を拡大する。ディーゼル仕様の「SXG216」をベースに、容量7.92kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。排出ガスゼロ、低騒音・低振動を実現し、住宅地や公共施設での作業に適した仕様とした。
モデルチェンジでは連続作業時間を延長し、走行音の低減を図ったほか、ディーゼル仕様と同様に操作性・居住性の改良を施した。集草性能に定評のあるモーアデッキと320Lの大型コレクタは共通仕様で、家庭用コンセントで充電できる点も特長だ。
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