JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(30)【今さら聞けない営農情報】第296回2025年5月3日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考えています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。そこで、水和剤や乳剤、液剤、フロアブル剤など水に希釈して散布する剤型を題材に、前回までにそれらを効率的に作物へ付着させる方法について整理し、実際に散布する際に気を付けなければならない条件について紹介してきました。
今回から水希釈散布剤で使用される散布機器のご紹介です。
水希釈散布機は最もよく使われる散布機です。液状の薬液を霧状に噴霧して散布することから、噴霧機と呼ばれており、動力源によって人力式と動力式とに分けられます。いずれの噴霧機も、薬液に動力源で圧力をかけて、ノズルから勢いよく噴出させて霧状の微細な水滴を放出させるという機構は共通しており、ほ場の形状や栽培面積などによって使い分けられます。
1.人力噴霧器
蓄圧式のボディーにノズルが付いたスプレー式のものや、手でポンプを押し下げて蓄圧して散布する肩掛噴霧機が一般的です。スプレー式で1~4ℓ程度、肩掛噴霧器で最大10ℓ程度のものが多く、ごく小規模のハウス・ほ場での噴霧や、茎葉処理除草剤の少水量散布、水稲フロアブル除草剤の鉄砲散布などで使用されます。大面積には向きませんので、小面積やスポット散布などの用途で使用されます。
2.動力噴霧器
(1)背負式動噴
電動モーターや小型ガソリンエンジンを動力源にして、ポンプを回し圧力を発生させて噴霧します。15ℓ~25ℓ程度のタンク容量を持つ「背負式動噴」が一般的ですが、エンジン重量と薬液の重量が加算され、タンク満載の薬液を積むと40kg程度となり、重い荷物を背負ってかなりの重労働を強いられます。この点、電動の場合は幾分軽いですが噴霧圧力が低く、噴霧液の到達距離が短くなる傾向があります。作物の形状や栽培面積などを考慮して使用する噴霧器を選ぶようにします。
(2)セット動噴
薬液タンクとエンジン・ポンプ部が分かれたものをセット動噴と呼んでいます。100ℓ~400ℓ程度の桶状のタンクに薬液を満たし、エンジン・ポンプにつないだ吸い込みホースを差し込んで薬液を吸い上げ、ポンプの先に装着した50m程度の長尺ホースを介したノズルから薬液を噴霧します。この桶状タンクとエンジン・ポンプ、ホース、ノズルをセットしてトラックの荷台に積み込んでほ場に行き散布するのが一般的です。ホースが長いので一人で散布するのは効率が悪く、ノズルを持つ人以外にもホースを中持ちするなどの複数の人員が必要な方法です。
薬液を遠くまで飛ばす能力を持った鉄砲ノスル(25m程度噴霧液が飛ぶものが多い)を使用すれば、農道やあぜ道からほ場に入らずに散布することができるので散布効率は良くなります。しかし、鉄砲ノズルの手前側と先端側で付着程度大きく違って均一散布がしずらいことや、勢いのある噴霧液を空気中に噴霧する(散布液時の様子は消防車の放水に似ている)ので、遠くまで飛ぶが、その代わりドリフトも多く注意が必要です。(つづく)
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