米穀の「航空輸送」ANAと実証試験 遠隔地への迅速な輸送体制構築を検証 JA全農2025年7月1日
JA全農は6月30日、米穀の航空輸送の実証試験を全日本空輸(ANA)の協力を得て実施。遠隔地への迅速な輸送体制構築について検証した。
JA全農は、スピードと長距離輸送の両面で優位性がある航空輸送について、遠隔地からの急な出荷依頼に対応できるよう、航空輸送の実証試験を実施した。実証実験で使用した米穀は、JA全農が落札した政府備蓄米。フレコンバッグ12本分(約12トン)の米が輸送された。
実証実験当日は、埼玉県内の保管倉庫から羽田空港(東京都大田区)までトラックで輸送された玄米を航空コンテナに積み替え、旅客機の貨物スペースに搭載。同日夕方に那覇空港(沖縄県那覇市)まで空輸した。この玄米は沖縄県内の精米工場で精米されてから、沖縄県内の小売店などに出荷される。
トラックで輸送された玄米を航空コンテナに積み替え
ANAは、「物流の2024年問題」への対応の一環として、特に昼間便の空きスペースを有効活用する提案をするなど「新モーダルシフト」の推進に取り組んでいる。このほど、全国各地への米の迅速な流通に向けて、新たな物流手段のひとつとして、JA全農に対して航空輸送を提案した。
JA全農はこれまで、物流の2024問題や米穀の安定供給の観点から、米穀の輸送手段として米専用貨物列車「全農号」の運行や、フェリー・船舶を活用した海上輸送に取り組んできたが、航空貨物輸送の取組は実施していなかった。
今回の実証実験についてJA全農米穀部の藤井暁部長は「遠距離向けに迅速な輸送をする場面があった場合、輸送手段の1つに"航空貨物輸送"の選択肢が加わることで、遠方のお客様へ迅速にお届けすることができると考えている。今回の試験結果を検証したうえで、今後の活用方法を検討していきたい」とコメント。今後も、複数の輸送手段を組み合わせたモーダルミックス(複合輸送)を採用することで、全国各地への安定的かつ迅速な米の供給に努める。
また、ANA Cargo上席執行役員国内貨物営業担当 の牧野文明氏は「国内航空貨物輸送が複数の輸送手段を組み合わせるモーダルミックスの一翼を担い、社会インフラとしての責務を果たしていく」と話した。
◎実証試験輸送の概要
試験数量:約12トン
対象:玄米(JA全農が落札した政府備蓄米)
発地:埼玉県内保管倉庫
着地:沖縄県内米穀卸
航空輸送区間:羽田空港(東京都)~那覇空港(沖縄県)
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