JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(31)【今さら聞けない営農情報】第297回2025年5月10日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考えています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。そこで、水和剤や乳剤、液剤、フロアブル剤など水に希釈して散布する剤型を題材に、前回までにそれらを効率的に作物へ付着させる方法について整理し、実際に散布する際に気を付けなければならない条件について紹介してきました。
今回から水希釈散布剤で使用される散布機器のご紹介です。
水希釈散布機は最もよく使われる散布機です。液状の薬液を霧状に噴霧して散布することから、噴霧機と呼ばれており、動力源によって人力式と動力式とに分けられます。いずれの噴霧機も、薬液に動力源で圧力をかけて、ノズルから勢いよく噴出させて霧状の微細な水滴を放出させるという機構は共通しており、ほ場の形状や栽培面積などによって使い分けられます。
2.動力噴霧器のつづき
(3)スピードスプレーヤー
果樹園でよく使われるもので、タンクと送風機、ノズルが一緒になった乗用機械で、園内を自走しながら後部の噴出口より散布液を勢いよく噴霧します。構造上、噴霧液が1方向に勢いよく飛ぶようになっていて、ドリフトする量も多い。このため、走行経路を工夫して園外に薬液が飛散しないように注意したり、防風ネットの設置など園外に噴霧液が飛散しないように工夫する必要があります。
(4)ブームスプレーヤー
乗用管理機にセットしたり、トラクターのPTOに接続して使用するタイプの動力噴霧機です。片翼数メートルの複数のノズルがついたブーム(竿状のもの)を左右に広げて、ブームと垂直方向に走行しながら噴霧する装置です。主に、畑地で利用されることが多く、ブームの位置を調整することにより、作物にノズルを近づけて効率よく散布できます。タンク容量も数百リットルから1500ℓの大型のものまで様々なものがあります。
(5)スプリンクラー散布
ミカン園地などでよく使われる方法で、定地式とも呼ばれます。文字通り、据え置き型の薬液プールなどに希釈液をつくり、あらかじめセットしたあるスプリンクラーに薬液送り用のホースをつなぎ、動力ポンプで薬液を送り出し散布するものです。スプリンクラーは円状に回転しながら薬液を飛ばすので、散布ムラがおきないようにスプリンクラーノズルを配置する必要がある。散布は楽ですが、どうしても重複散布部分や葉裏など散布液が届かない部分ができるので、ノズルの数を増やしたり、多めの水量でたっぷりと散布するなど工夫が必要になります。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(166)食料・農業・農村基本計画(8)農業の技術進歩が鈍化2025年11月1日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(83)テトラゾリルオキシム【防除学習帖】第322回2025年11月1日 -
農薬の正しい使い方(56)細菌病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第322回2025年11月1日 -
酪農危機の打破に挑む 酪農家存続なくして酪農協なし 【広島県酪農協レポート・1】2025年10月31日 -
国産飼料でコスト削減 TMRと耕畜連携で 【広島県酪農協レポート・2】2025年10月31日 -
【北海道酪肉近大詰め】440万トンも基盤維持に課題、道東で相次ぐ工場増設2025年10月31日 -
米の1等比率は77.0% 9月30日現在2025年10月31日 -
2025肥料年度春肥 高度化成は4.3%値上げ2025年10月31日 -
クマ対策で機動隊派遣 自治体への財政支援など政府に申し入れ 自民PT2025年10月31日 -
(459)断食:修行から管理とビジネスへ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月31日 -
石川佳純が国産食材使用の手作り弁当を披露 ランチ会で全農職員と交流2025年10月31日 -
秋の果実王 旬の柿を堪能 福岡県産「太秋・富有柿フェア」開催 JA全農2025年10月31日 -
「和歌山県産みかんフェア」全農直営飲食店舗で開催 JA全農2025年10月31日 -
カゴメ、旭化成とコラボ「秋はスープで野菜をとろう!Xキャンペーン」実施 JA全農2025年10月31日 -
食べて知って東北応援「東北六県絆米セット」プレゼント JAタウン2025年10月31日 -
11月28、29日に農機フェアを開催 実演・特価品販売コーナーを新設 JAグループ岡山2025年10月31日 -
組合員・利用者に安心と満足の提供を 共済事務インストラクター全国交流集会を開催 JA共済連2025年10月31日 -
JA全農と共同開発 オリジナル製菓・製パン用米粉「笑みたわわ」新発売 富澤商店2025年10月31日 -
【スマート農業の風】(20)GAP管理や農家の出荷管理も絡めて活用2025年10月31日 -
農業経営効率化へ 青果市況情報アプリ「YAOYASAN」に分析機能追加 住友化学2025年10月31日


































