三菱マヒンドラ農機 ペースト施肥、紙マルチ田植機、耕うん作業機の販売強化2025年7月2日
三菱マヒンドラ農機は販売の重点として、①ペースト施肥田植機②紙マルチ田植機③耕うん作業機「ディスクハロー」の自社開発機種に力を入れている。
農機市場は米価低迷の影響もあって低調だったが「最近の米価の値上がりに伴い、農機の購買意欲向上に期待している」。ただ、生産資材高騰や農業従事者の減少や高齢化などにより「長期的には(市場の)縮小が続く」と想定されている。小型や中型の農機は減少傾向だが、農家の大規模化が進んでいることから、大型農機は「販売台数が伸びている」。
今後は環境への負荷低減や、農業従事者の減少や高齢化に対応した農機の販売を強める。同時に、作業中の死亡事故が減少していないこともあり、改定された安全性検査基準に沿った安全性を、性能とともに訴求する。
XPS6/8
【ペースト施肥】
ペースト施肥は、深さと量を調整(二段施肥においては上下段の比率も調整可能)することで気候や栽培品種に合わせて肥効をコントロール、加えてほ場から河川などへのマイクロプラスチック流出防止による環境負荷低減、追肥が不要な施肥作業省力化の可能性を高める技術として力を入れており、特に「東北地方では装着比率が高い」という。搭載機種はLE4A、LE50/60、LE50AD/60AD/70AD/80AD、XPS6/8、LKE60ADで様々な条数で展開している。
このうち、プロカテゴリーの新シリーズとして位置付ける「XPS6/8」はカムで押し出す植付方式で、ほ場の状態に左右されることなく植付深さが一定。スプリングの押し出し方式と比べ仕上がりがきれいになる。「業界最高速」の秒速1.95 mの高速疎植時でも植付姿勢が乱れず、速度を落とす必要がない。密植でも疎植でもストレスなく作業を行える。燃料タンク、ペースト肥料タンクを大容量化し、補給作業でロスする時間を軽減する。
LKE60AD
【紙マルチ田植機】
紙マルチ田植機は、2000年代前半に開発されて以来、現在も同社のみが採用している。これまでは「年に十数台の販売」であったが、有機稲作が注目されだすと「除草作業がほとんど不要であるという点にスポット」が当たり、昨年から拡販に入っている。
また、有機栽培の最大の課題の一つ、雑草対策で「物理的に雑草を抑えるので効果が高く、ファンも増えている」。昨年5月に島根県大田市、今年5月には埼玉県幸手市と包括連携協定を締結。有機米栽培の推進で導入を進めるべく、今年度は全国50カ所以上で実演を行っており、今後も「有機米生産、ブランド化、反収増を行政とともにアピール」を強める。
搭載機種のLKE60AD(メーカー希望小売価格税込み445万3900~498万1900円)は、6条田植機クラスで21馬力のディーゼルエンジンにより高負荷作業をこなし、前輪独立懸架や水平自動制御で高速作業時も安定した作業ができる。18Lの大容量燃料タンクで給油回数も少なくて済み、誤操作を防ぐ自動機能と簡単操作も備える。さらに、植え揃えが簡単・計測不要の独自機能、ジャストメジャーを搭載し、苗やロール紙、肥料の無駄を減らし、省力化にも貢献する。
【耕うん作業機「ディスクハロー」】
ロータリーは強制駆動で土を掘り起こし均すのに対して、「ディスクハロー」は自重を利用して土を反転させ整地を行うので、ロータリーと比較して効率的に耕起作業が行える。また、収穫後の残渣の根張を断ち切って表面に散らすので、土壌にすき込むよりも残渣物の腐食が進む。水稲の場合は秋耕を行うことでメタンガスの抑制も期待できる。
当初はトルコから輸入したヒサルラー製「ラバータイプディスクハロー」で、100馬力帯の大型トラクターのみに対応していた。その後、中小の農業者からの要望で45~60馬力の中型トラクターに対応する「クサナギ」(MDH1820)(メーカー希望小売価格税込み150万8100円)を自社で開発。作業能率が高く、スピードは3倍で燃料消費も少ない。現在、自社開発の第2弾として60~100馬力帯のトラクターに対応する機種も開発を進めている。
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