JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(32)【今さら聞けない営農情報】第298回2025年5月17日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考えています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。そこで、水和剤や乳剤、液剤、フロアブル剤など水に希釈して散布する剤型を題材に、前回までにそれらを効率的に作物へ付着させる方法について整理し、実際に散布する際に気を付けなければならない条件について紹介してきました。
今回から製剤をそのまま散布する農薬の散布機械のご紹介です。 粉剤やフロアブル除草剤など製剤をそのまま散布する農薬の散布機は、製剤をファン等で作り出す風圧や樹脂板などで直接弾き飛ばすといった物理的に製剤を送り出す機構を持っています。
液状散布の噴霧機に対し、動力散布機(動散・ドウサン)や散粒器(サンリュウキ)などと呼ばれており、噴霧器と同様に動力源によって、人力式と動力式があり、噴霧器と同様にほ場の形状や規模によって使用する機器が使い分けられています。
1.人力散布器
(1) 散粉器・散粒器
手動式ファンを勢いよく回して粉剤を散布するものを散粉機、同じく人力で樹脂板付円盤を回して薬剤ホッパから自然落下してきた粒剤を散布する散粒器があります。近年は、粉剤を手動で巻くことはまず無いので、製剤をそのまま散布する人力の機器といえば、散粒器を指すことがほとんどです。
粒剤の場合、近年は1キロ粒剤が主流ですので1キロ粒剤を散布することを例に紹介します。 一般的な散粒器の薬剤ホッパ容量は5kg程度ですので、10aあたり1kgを散布する場合には、薬剤ホッパー満タン(5kg)の散粒器であれば、1回の薬剤投入で50aのほ場を散布できます。
この数字だけをみるとそれなりの面積を散布できるように感じますが、1キロ粒剤は均一散布が基本なので、5kg散布するには50aの圃場をこまめに満遍なく歩き回る必要があり、特に水田での散布であれば、かなりの重労働となります。このため、大面積での散布に手動散粒器を使用するには、あまりにも重労働かつ不効率となりますので、散粒器の使用は、中山間地など10a以下の小面積で大型の器械が入れないような圃場の散布に限定した方がよいでしょう。
(つづく)
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