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JAの活動:JA全国女性大会 花ひらく暮らしと地域 時代を変える女たち

【特集:第66回JA全国女性大会】中山間地農業支える女性部にエール 冨野井利弘・JA三次組合長(広島県)2021年1月21日

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農村人口の減少、高齢化の進行は、中山間地域において、これまでのようなJA事業・運営が難しくなり、より一層女性の参画「組織・結集力」が必要になってきた。全国的にも高齢化率の高い中国地方で、早くからこのことに気づいていた広島県のJA三次は、女性の組織化を進め、女性部の活動を積極的に支援してきた。同JAの冨野井利弘代表理事組合長は、これからの地域社会と、それを支える農業を守る組織として、女性部への期待を語る。(聞き手・構成:日野原信雄)

冨野井 利弘組合長冨野井 利弘組合長

支店ごと特徴 60代は"若手"

支店を軸に支部活動

――高齢化が進んでいる中山間地域にあって、JA三次の女性部はどのような活動を行っていますか。

JA三次は2021(令和3)年の4月に合併30年を迎えます。JAの女性部活動は合併前後を通し、食育や福祉など地域に根差した活動を展開し、協同組合運動の要として共に歩んできました。例を挙げると、JAの三和支店では毎年、グラウンドゴルフ大会を開催し、組合員や地域の方などを合わせ、毎年約100人以上の方に参加いただきます。そのときは女性部員が昼食に手作りのおにぎりやみそ汁を準備し、参加者に喜ばれています。同じように、ほかの支部でも、それぞれの支店単位での独自の協同活動を展開しています。

JA三次の女性部活動の特徴は、支部の自主的な活動で成り立っているところにあります。また支部はそれぞれの支店と一緒になって行動計画を作り、支店を拠点として活動します。

JAはこのように女性部を中心とする支店の協同活動を支援し期待もしていますが、一方、女性部の大きな課題は毎年、部員数が減っていることです。20年前の2000(平成12)年は約2000人いた部員が、現在では約1300人前後に減っています。このため、女性部員獲得運動を展開していますが、その一つの方法として女性部から意見をいただいたことがきっかけとなり、JAで導入している総合ポイント制度にJA事業の利用だけではなく、女性部への新規加入や活動に参加したらポイントをつけるようにしました。

また支店を中心とする女性部の結束を強めるため支店で毎月発行している「支店だより」も大きな役割を果たしています。

これは支店の職員が中心になって作っているミニコミュニティー紙のようなものですが、身近な話題や手作りによる親しみやすさが評判で、地域の人のつながりにとって大きな役割を果たしています。JA広島中央会が主催するJAの支店広報誌コンクールでも、3年連続最優秀賞を受賞しました。

孫世代の隔世承継も

――女性部の活動を継続するには、世代間のバトンタッチが重要だと言われますが。

女性部活動で中心になっていただいている50代は女性部活動に「参加」するだけでなく、JAの運営に積極的に「参画」していきたいという意思を持っていただいておりますが農作業のほか家庭でも重要な役目を果たしており、時間のやりくりが難しいという状況があります。このためこの世代が60代になったとき、無理のない範囲で女性部活動に関われるような仕組みを考えるべきではないかと思っています。山間部の女性部で、60代はまだ"若手"です。

こうした現状から、女性部組織の維持・継承に関しては子ども世代だけでなく、孫の世代も考える必要があるのではないかと思っています。

現在の女性部のリーダー層である60代70代から40~50代への継承だけでなく、孫世代である20~30代への隔世継承が必要だと思います。幸い若い女性のフレッシュミズの組織を支部単位でつくる動きが出ており、積極的に支援する考えです。

――男女共同参画が唱えられていますが、JAではまだまだ男社会だというのが実態です。JAではどのような取り組みをしていますか。

正組合員や総代、理事などJAの経営に女性が参画していただくため、これまでも取り組んできました。JA三次は2009(平成21)年、男女共同参画で農水大臣賞を受賞しました。女性の比率が正組合員、総代、理事、管理職の4点の評価基準で、管理職部門を除いて三つの分野で評価されました。

料理教室でおせちをつくる部員料理教室でおせちをつくる部員

総代に女性枠 出て当たり前

総代の女性4割維持

2005(平成17)年から、高齢化で引退する組合員が減少することに危機感を持ち、組合員拡大運動を展開してきました。1戸複数加入促進を図り、女性の方に多く加入いただきました。結果、3年間で正組合員、准組合員を含めて5154人の新しい組合員を確保でき、うち女性は3394人でした。

その結果、農水大臣賞受賞の時、組合員に占める女性の比率は40.5%でした。現在、JA三次の組合員数は約1万8600人、うち正組合員約1万1400人、准組合員約7200人で、女性の比率は41.2%となっています。ただ管内の人口が毎年1%、約500人減る中で、組合員数を維持するのは大変厳しくなってきており、管内の組合加入率は現在38%ですが、今後も4割の水準を維持したいと思っています。

女性総代数は2006(平成18)年の改選前は23人に過ぎず、全体の4.3%でした。同年の改選時に努力目標として女性の選出を呼び掛けましたが効果がありませんでした。2009年の改選で総代550人のうちの10%という女性枠を設け、女性部のみなさんの協力のおかげで、地区からの選出も加え、一挙に12%、69人となりました。現在は14%になっています。総代会では、まだ女性が活発に発言できる雰囲気ではありませんが、徐々に「出て当たり前」とう組織風土に変わりつつあります。まず総代に出てくるのが第1段階です。結果としては女性枠を設けたのがよかったと思っています。

現在は高齢化で総代の選出が難しい地区が増え、今年の改選では定員を500人に減らす方針ですが、女性枠は15%に拡大します。今後はさらに地域活性化やJA運営の鍵は女性の活躍だと考えています。

女性理事の選出は、2007(平成19)年の改選期に2人女性枠を設けました。今は地区選出を含め3人です。監事を含め28人の役員の1割以上の維持・拡大を目指しています。

女性管理職は、農水大臣賞受賞のとき、18.4%でした。その後、管理職の数を減らしましたが、現在46人の管理職のうち女性は21%で、当時より比率は高くなっています。

特に支店では店内の美粧化など、男性と違う細やかさを発揮し、組合員からも「細かいことによく気が付く」「相談し易い」などと組合員や利用者に好評です。

また理事会では、組織としての建前論でなく、生活者の目線で率直な発言があり、われわれ男性が忘れていたことを教えられることも少なくありません。

星の数ほど協同活動

――女性の活動はどのようにして進めていますか。

女性部の主な活動は支店ごとに組織した支部が中心になりますが、当時の広域合併の際、統廃合した支店を円滑に運営するため設けた支店運営委員会を中心に取り組みました。現在も支店ごとで支店行動計画に基づきさまざまな協同活動を行っています。

それを支えているのが女性部員のグループ活動です。家庭菜園や、しめ縄づくり、料理教室など、支部にはさまざまな活動があります。こうしたグループを星の数ほどつくっていただきたい。

女性部スポーツ大会で汗を流す女性部スポーツ大会で汗を流す

いくつかの支部では、男性の部員がいてもいいのではないかという声もあります。独り住まいで、料理教室や家庭菜園で野菜作りに参加したいという男性は少なくないはずです。男性料理教室を始めた支部もあります。将来は男女のカテゴリーを超えた世代別とか、あるいは独り暮らしの高齢男性だけとかの組織づくりも必要になるかも知れません。

――高齢化するなかで、JAは高齢者にどのように向き合っていけばいいのでしょうか。

高齢化は避けて通れません。JAは高齢者に対して優しくなければなりません。JAの事業拡大で新規の顧客開拓の必要性が言われますが、そのため既存の客を粗末にしてはいけません。

若い人も、年齢を重ねて高齢者になります。福祉事業を始めたとき、遠方にいる息子さんや娘さんから、親の面倒をみているJAが感謝されました。つまり高齢者を大切にすることは、若い人にJAを認知してもらうことにつながるのです。これまでJAを支えてきた人にしっかり目を向けることが、若い人にとっても、安心して将来をJAに託すことができるのではないでしょうか。

地域へ愛着が不可欠

――三次市のような中山間地域の農業に、どのような将来像を描いていますか。
 
担い手は、農業がもうかれば出てきます。しかし、価格が暴落してもうからないこともあります。そのとき、それでも農業を続ける支えになるのは、お金ではなく農業や地域に対する愛着です。これがなくなると一般の企業と同じになってしまいます。

管内では、集落型の農業組織づくりを進めていますが、担い手の高齢化で広域化が必要になっています。しかし、それは集落や農地に対する愛着の意識を薄めることでもあります。できれば地縁、血縁を根底に、地域は地域の人で守っていきたいですね。そのなかで、男性は米にこだわりますが、女性は現実的で、活発な集落では、野菜など新しい品目に挑戦しています。この面でも女性の力に期待しています。

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