JAの活動:JA戦略型人材育成研修全国研究発表会
【特集:JA戦略型人材育成研修全国研究発表会(3)】総合性を最大限活かして2021年3月16日
◆放課後農業クラブ
熊本県JAあまくさ上支所渉外課LA 小林 強さん
JA管内の農業就業人口は65歳以上が63%を占め、地域農業維持のためには若手農業者の確保・拡大が欠かせない。そこで、農業者の高齢化、減少、その結果としての過疎化に歯止めを打つため、「放課後農業クラブ」の設立を提案する。
特に将来の農業・地域を担う中学校(生)を対象に、10人ほど募集し、支所職員の支援のもと、農業に触れる機会を増やそうというもの。週3回程度、週末に開講し、栽培技術だけでなく疑似経営も経験する。
また収穫物は学校給食へ提供するなど、農業の役割と価値を学ぶことで、一人でも多くの若者を地元に定着させようとする、いわば人材確保による地域農業とJAの長期維持発展のための戦略といえる。この事業を今後年で全支所に展開することを提案している。
◆広報活動の強化を
JAおおいた北部事業部共済課係長 渡辺 健一さん
JAの広報活動の取り組み強化と評価制度について発表した。特に20~50代の次世代の潜在顧客へアプローチする。JAの正組合員と共済事業取扱高の関係をみると、人数の2割を占め、正組合員を中心とするロイヤルカスタマー(忠誠心の高い顧客)の減少が顕著になっている。
この傾向が続くと、売上高の減少を招く可能性があるが、JAおおいたの広報活動はほとんどが正組合員向けとなっている。売上高を伸ばすため、(1)新規顧客を増やす(2)流出顧客を減らす(3)購買ひん度を上げる(4)購買個数を上げる(5)単価を上げる方法があるが、それには顧客の8割を占める一般顧客の向けの情報発信力を高める必要がある。
このため、潜在顧客へのアプローチとして、(1)「YOUTUBE」を使って全職員でJAおおいたをPRする(2)PR貢献度に対しての「評価制度」を設定する(3)現行の広報誌「JOIN」を見直すよう提案する。特に広報誌から、「5G」(第5世代)通信を見据えた広報活動の強化を提案した。
◆ゴボウで産地再生
宮崎県JA串間市大束販売課かんしょセンター長 森 一真さん
カンショ基腐病の被害を受けた産地の再生と改革について発表。基腐病は2018(平成30)年から発生。大束地区全体に被害が広がり、離農者、耕作放棄地が増えた。そこで経営リスクの回避と農家の所得維持のため、ゴボウとの複合経営を提案したが、問題は作業の重複にあった。
特に根菜類であるカンショ、ゴボウともに収穫作業が大変だが、これが重ならないように、6~11月収穫のカンショと、12~5月収穫のゴボウを組み合わせた。その上でさらに労力軽減を狙ってゴボウの土付き出荷を提案。それによる生産者の所得金額を試算している。
それによると、10アール当たりの箱詰め出荷による販売金額は約37万円で、土つき出荷は11万円。箱詰めが26万円多いが、労働時間を換算すると、1日当たり所得は箱詰めが約5万4000円で、土付きの5万5000円とほぼ変わらず、作業の効率化による農業所得確保が可能なことを数字で示した。
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