忘れない・続ける・つながる 生協の復興支援活動2016年2月22日
もうすぐ東日本大震災と東電福島第一原発事故発生から5年目を迎える。「忘れない」「続ける」「つながる」を合言葉に、被災地の復興支援活動を継続している全国の生協の活動の一部を、日本生協連の「NewsLetter」から紹介する。
○福島子ども保養プロジェクト「コヨット!」
福島県生協連では、日本ユニセフ協会などと協力して、2011年5月から、福島の子どもたちの成長を支援する「福島の子ども保養プロジェクト(コヨット!)」に取り組んでいる。
これは、福島の子どもたちが外で思い切り遊べる保養プログラムと同時に、保護者が日常から離れてストレスを解消したり、さまざまな人たちと触れ合う機会を設けたりすることを目的に、全国各地で開催されているもので、
2015年10月までの累計で1534企画が実施され、参加人数は延べ7万7015人となっている。
2015年度は、全国各地で143回開催され、6028人が参加した(2015年10月末現在)。このプログラムは2016年度も継続して実施される。
○組合員・職員による仮設住宅での「サロン活動」の継続
被災地(岩手・宮城・福島)の生協では、被災地へのバスボランティアや被災者のリフレッシュツアーなどさまざまな活動に取り組んでいる。
とくに、仮設住宅などで暮らす人たちのふれあいの場として「サロン活動」や「ふれあい喫茶」の開催などを継続している。15年度は生協の組合員ボランティア約3500名が被災地を訪れ、仮設住宅で暮らす方々を中心に、約9800人と交流した(15年12月末現在)。
また、上記2つの活動支援のために、全国の生協が積極的に募金活動にも取り組んでいる。
○買って支える―被災地の商品利用で地域経済復興を応援
被災地の農水産物や加工品を取り扱うことで、被災地の産業復興を応援している。
みやぎ生協では11年に県内の生産者・食品製造業者・流通業者などが参加する「食のみやぎ復興ネットワーク」を設立し、地元産食材を使用した商品開発・販売を行ってる
(16年2月9日現在、加盟242団体・社)
15年11月には、地域経済の活性化を目的に"東北の震災復興と地域復興応援に賛同する人々の思い"と"時をこえたおいしさ"を伝える新ブランド「古今東北」を立ち上げた。
いわて生協では、沿岸被災地をはじめとする地元の生産者・食品加工メーカーの事業復興を支援する「復興支援・地産池消フェスタ」を各店舗の駐車場で開催している。15年度は3店舗で延べ約4万3500人が参加した。
○家庭の食事からの放射性物質摂取量調査
コープふくしまは、全国の生協および日本生協連と共に、11年度から食事に含まれる放射性セシウムの量を測定し、現状を正しく理解することを目的に「家庭の食事からの放射性物質摂取量調査」に取り組んでいる。
15年度も調査を継続し、16年3月上旬に結果を公表する予定だ。
○岩手県野田村「バイオマス発電事業」への出資参画
いわて生協、みやぎ生協、コープ東北サンネット事業連合と日本生協連の4者が出資している(株)野田バイオパワーJPが運営する「野田バイオマス発電所」が稼働する。16年8月の竣工を目指し、5月より試運転を開始する予定だ。稼動後は、日本生協連の電力子会社である(株)地球クラブへ、年間約6000キロワットが供給される見込み。
○「忘れない・続ける・つながる」―被災地視察を継続開催
全国各地の生協組合員や職員が、岩手・宮城・福島の被災地を訪れ、復興の現状を見て、被災者
と交流し、それを地元に戻ってから多くの組合員に伝えることで支援活動を継続する「被災地視察」に取り組んでいる。中でも、コープふくしまでは、原発事故避難対象地域の視察や仮設住宅で暮らす人たちと交流する「受け入れ企画」や、反対に全国各地の生協に出向いて行う「福島報告会」を、この5年で230回以上開催している。
○つながろうCO・OPアクションくらし応援募金(15年4月~15年12月末現在)
日本生協連では、復興支援の各種活動の実施を目的として、全国の生協組合員・役職員に「つな
がろうCO・OPアクションくらし応援募金」を呼びかけている。
15年度は、募金先を限定した下記の募金に全国各地の生協が取り組み、15年12月末現在の募金総額は約2550万円となっている。
その内訳は
▽福島の子ども保養プロジェクト約650万円
▽被災地生協のボランティア活動支援約1390万円
▽指定なし約510万円
○今後の予定
▽コープふくしま:ふくしま支援交流会「これまで・現状・これから」
日時:16年2月23日10:00から
会場:ザ・セレクトン福島(福島市太田町13-73)TEL:024-531-1111
交流テーマ:「全国の協力で実現した食事調査・外部被ばく調査活動」「ふくしまの子供たちと
各地の親子の交流」「仮設住宅での寄り添い活動」「ふくしま農産物支援と生協事業への組入れの展望」「被災地視察で感じたこと」を予定。全国の生協が福島県に寄せた思いや取り組み内容、福島について知りたいことなどを発表し意見交換する。
▽みやぎ生協「被災者支援から、地域のみんなでまちづくり」
日時:16年3月3日(木)10:00から
会場:江陽グランドホテル(仙台市青葉区本町2-3-1)TEL:022-267-5111
概要:ボランティア活動で生まれたつながりを、安心して暮らせる地域づくりに生かすため、講演や交流を通してこれからの取り組みを考える。
重要な記事
最新の記事
-
【稲作農家の声】大規模化一辺倒は周回遅れ 米自給は国防そのもの 藤松泰通さん(静岡)2025年6月9日
-
【稲作農家の声】米価は流通業者が決めるものじゃない 生産者・消費者の相互理解こそ 石塚三津夫さん(新潟)2025年6月9日
-
「JAいわてグループ農業機械フェア2025」6月20、21日に江刺で開催 JA全農いわて2025年6月9日
-
令和7年度「第2回農業体験研修」で田植え作業実施 JA全農あきた2025年6月9日
-
6月5日「環境の日」3-Rインスタグラムでプレゼントキャンペーン JA全農ひろしま2025年6月9日
-
【動き始めたバイオスティミュラント】(1)アクプランタ社長の金鍾明氏に聞く 科学的に作用を説明できる資材こそBSに2025年6月9日
-
【動き始めたバイオスティミュラント】(2)アクプランタ社長の金鍾明氏に聞く 科学的に作用を説明できる資材こそBSに2025年6月9日
-
JA全農みえサービス明和合同イベント「雨季雨季(ウキウキ)感謝祭」を開催2025年6月9日
-
農水省 野菜のコスト指標 複数の産地別に作成検討 野菜WG2025年6月9日
-
【人事異動】農水省(6月9日付)2025年6月9日
-
農水省「BUZZ MAFF」米の情報発信について小泉進次郎新大臣に相談2025年6月9日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」岩手県盛岡市で14日に開催2025年6月9日
-
有機農業・環境保全型農業の優れた取組「令和7年度未来につながる持続可能な農業推進コンクール」募集開始 農水省2025年6月9日
-
給付還元安定財源 基準上回る186億円確保 JA全国共済会2025年6月9日
-
令和7年産の栃木県産イチゴ販売額 過去最高額を更新 "31年連続"日本一へ JA全農とちぎ2025年6月9日
-
年に一度のパンの祭典「世田谷パン祭り2025」11月1日、2日開催2025年6月9日
-
朝採れトウモロコシなど地元農産物が集合「神奈川 地産地消マルシェ」開催2025年6月9日
-
「ファームコネクト」と三井住友海上が業務提携 農家向け相続対策・資産形成サービス提供2025年6月9日
-
「スマート農業イノベーション推進会議設立総会」開催 農研機構×農水省2025年6月9日
-
「スマート農業指導士育成プログラム」の開講式 秋田県立大学2025年6月9日