小泉氏 今の農協大きくなりすぎ2017年2月21日
自民党の小泉進次郎農林部会長は2月20日、東京都内で開催された(一社)太陽経済の会主催のセミナーで農政課題について講演し、農協に対しては「本当に農業者のための組織か、まだまだ自己改革の行方を注意深く見る必要がある」など引き続き農協改革を注視する考えを強調した。
小泉部会長は農業者の意識改革、発想の転換が求められているとして、東京五輪で日本産食材を使用するためにもグローバルGAPなど国際認証を取得しようという農業者を増やし、「規範意識と経営意識が根づく生産現場への改革」が必要だとした。
産地挙げてグローバルGAPの取得を後押ししているJAの取り組みもあるとして「農業経営者が農協と補助金を活用する農業者になる」ことや「組合員を増やすことに意味はなく、農業経営者を育成すること。農協を守ることではなく農家を守ることが重要だ」などと述べた。
そのうえで農協改革について「本当に農業者のための組織か、まだまだ自己改革の行方を注意深く見る必要がある」と引き続き注視する考えを示したほか、「今年は選挙がある。全中会長選挙です。どういう方が出てくるか、見もの。慣れ親しんだかたちがいいのか、本当に危機感を持って今変わらなければ10年後の農業は描けないと思って、ぶれずにこの(改革)方向にいくのか」などと話した。
農政改革の方向として農協を含めて「組織を守り維持強化策につながるような施策をやる気はまったくない。農業者の人材力と競争力を強化するかたちに全力を尽くす方向に変えていこうと思っている」などと強調した。
農協については「大きくなりすぎている。10年後の農協は農協の原点に戻ると思う。私が農協のことを株式会社化しようとしているとの誤解があるが、一貫して求めていることは協同組合とは何か、だ」と述べたうえで、「全農は協同組合ですよ。しかし、売上高5兆円、職員8000人。海外から飼料をもってきてイギリスの食品企業を買収してこれから輸出もやる。これだけの事業体をしっかりガバナンスをきかせて利益が出るように経営できる経営者は何人いるか。経営の意思決定に関わっているのは、地方の組合長あがりの方々。私が今でも根本的に思っているのはそこ。10年後、間違いなく肥大化してきた方向からはあるべき姿に戻っていくと思う」など全農の組織、事業の縮小が求められるとの考えを改めて示した。
重要な記事
最新の記事
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
飼料用米、稲WCSへの十分な支援を JAグループ2025年10月16日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】本質的議論を急がないと国民の農と食が守れない ~農や地域の「集約化」は将来推計の前提を履き違えた暴論 ~生産者と消費者の歩み寄りでは解決しないギャップを埋めるのこそが政策2025年10月16日
-
死亡野鳥の陰性を確認 高病原性鳥インフル2025年10月16日
-
戦前戦後の髪型の変化と床屋、パーマ屋さん【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第360回2025年10月16日
-
「国消国産の日」にマルシェ開催 全国各地の旬の農産物・加工品が集合 JA共済連2025年10月16日
-
静岡のメロンや三ヶ日みかんなど約170点以上が「お客様送料負担なし」JAタウン2025年10月16日
-
高齢者の安全運転診断車「きずな号」を改訂 最新シミュレーター搭載、コースも充実 JA共済連2025年10月16日
-
安心を形にした体験設計が評価 「JA共済アプリ」が「グッドデザイン賞」受賞 JA共済連2025年10月16日
-
東京都産一級農畜産物の品評会「第54回東京都農業祭」開催 JA全中2025年10月16日
-
JA協同サービスと地域の脱炭素に向けた業務提携契約を締結 三ッ輪ホールディングス2025年10月16日
-
稲わらを石灰処理後に高密度化 CaPPAプロセスを開発 農研機構2025年10月16日
-
ふるさと納税でこども食堂に特産品を届ける「こどもふるさと便」 寄付の使いみちに思いを反映 ネッスー2025年10月16日
-
「NIPPON FOOD SHIFT FES.」に出展へ 井関農機2025年10月16日
-
マルトモが愛媛大学との共同研究結果を学会発表 鰹節がラット脳のSIRT1遺伝子を増加2025年10月16日
-
マックスの誘引結束機「テープナー」用『生分解テープ』がグッドデザイン賞を受賞2025年10月16日
-
北海道芽室町・尾藤農産の雪室熟成じゃがいも「冬熟」グッドデザイン賞受賞2025年10月16日
-
夏イチゴ・花のポット栽培に新たな選択肢「ココカラ」Yタイプ2種を新発売2025年10月16日
-
パルシステムの奨学金制度「2025年度グッドデザイン賞」を受賞2025年10月16日
-
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月16日