【TPP】11カ国で早期実現-政府方針2017年5月31日
政府は5月30日、首相官邸で第18回TPP(環太平洋パートナーシップ)に関する主要閣僚会合を開いた。安倍首相は21日にベトナム・ハノイで開催されたTPP閣僚会合で「11か国で結束を維持しつつTPPの早期実現を図るという共通の意思を明確にしめすことができた」として、石原TPP担当大臣に7月に日本で開かれるTPP首席交渉官会合で「11か国での議論を主導を」と指示した。
ハノイで行われたTPP閣僚会合には米国を除くTPP署名11か国が参加した。
出席した石原伸晃TPP担当大臣(経済再生担当大臣)によると閣僚会合前に行った10か国すべての国との二国間会談などでも、TPPの戦略的・経済的意義は変わらず、高いレベルのルールの早期実現を追求すべきであると主張し、引き続き米国が参加するよう橋渡し役を日本が務めるなど話した。
米国抜きでのTPP発効に慎重な国もあり、各国の立場はさまざまだが、早期発効への機運は失わないという点では共通認識を得たという。
議論の結果、採択した閣僚声明ではTPP早期発効に向けた選択肢の検討を開始し、11月にベトナム・ダナンで開かれるAPEC首脳会合までにその検討作業を完了させることを表明した。
発効に向けて米国の参加を促進することや、TPPに新たに参加したいとする国・地域も含めた将来ビジョンについても視野に入れる必要性にも言及した。
議論を加速させるため7月に日本で首席交渉官会合を開くことも決まった。日本がTPP交渉に参加した2013年以来、交渉会合が日本で開かれるのは初めて。
安倍首相は「スピード感を持って議論を前進させられるかどうか、議長国としてのわが国の役割が決定的に重要だ。関係閣僚が一丸となって11か国の議論の主導を」と指示した。
TPP政府対策本部によると、TPP協定とその関連法制度などについて国内手続きが終了しているのは日本とNZだけ。トランプ大統領による米国のTPP離脱で国内審議が中断している国もある。各国とも米国の参加を前提にした協定として国内に説明してきたため、発効に向けた協議にはそれまでと矛盾しない説明が求められる。そのため11か国で発効することを明確にしなければ国内審議もできないとする国もあるという。
一方、米国内にもTPP参加を求める意見がある。閣僚会合に合わせて自民党派遣議員団としてハノイ入りした党TPP総合対策実行本部長代理の森山元農相は全米商工会議所のオバビー副会頭と会談した。
それによると、副会頭はトランプ政権に対してアジアは米国抜きでも前進し続けているというメッセージを送ることが重要だとの認識を示したという。また、日米FTAは困難で時間がかかり、TPPにくらべて得るものが少ないこと、米国が復帰しやすい条件を整えつつTPPを早期発効させることが重要との認識で一致したという。米国としても12か国で決めたルールをはみ出さないかたちで発効することがTPPに戻りやすいとの考えだという。
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