雲母に含まれる非交換態Kの放射性Cs吸収抑制効果を確認 農研機構と京都府立大2020年7月21日
農研機構東北農業研究センターと京都府立大学の中尾淳准教授、矢内純太教授らとの共同研究グループは、このほど福島県広域の水田から採取された土壌と玄米を分析し、雲母鉱物が土壌に多く含まれていればカリウム不足が補われるため、カリウム追加施肥を行わなくても玄米への放射性セシウムの移行が増加しにくいことを明らかにした。今後、土壌の雲母含量を簡易推定する分析方法を確立し、移行リスクが上昇し始める閾値を決定することで、カリウム施肥量を減らすことに伴い放射性セシウムの移行リスクが上昇する水田と、比較的リスクが上昇しにくい水田を見分ける方法を確立することが期待される。

(写真)土壌中の交換態Kと非交換態Kは放射性Csの玄米への移行を抑制する
福島県および周辺県の水田では、土壌中の放射性セシウムの吸収抑制のため、カリウムの追加的な施用が実施されている。
現在、土壌中の交換態カリウム量や過去の全量全袋検査の実績などにより、吸収抑制対策としての追加的なカリウム施肥を終了している地域もあるが、土壌中の植物が使いやすいカリウム(交換態カリウム)の量は、施肥や稲わらの還元など適切な管理を行わなければ、作物への吸収やほ場外への流出により徐々に減少し、将来的に放射性セシウムの米への移行リスクが高まることが懸念されている。
今回共同研究グループは、福島県広域の水田で採取した土壌と玄米を用いて、「カリウムを施用せず栽培を行った水田では、交換態カリウム量が大きく低下。それに応じて玄米の放射性セシウム濃度が増加する」「カリウムを施用しなくても玄米の放射性セシウム濃度が増加しない水田もあり、その土壌は非交換態カリウムと呼ばれる雲母から放出されるカリウムを多く含み、さらに阿武隈高地周辺の花崗岩地帯に主に分布している」ことを明らかにした。
これまで、雲母に含まれる非交換態カリウムは交換態カリウムと比べ植物にとって使いにくいとされ、放射性セシウムの吸収抑制効果は小さいと考えられてきた。今回の研究により、初めて営農水田での高い効果が実証された。
なお、同研究は農水省食料生産地域再生のための先端技術展開事業「原発事故からの復興のための放射性物質対策に関する実証研究」の一環として行われた。
重要な記事
最新の記事
-
優れた作品に圧倒 受賞に誇り持って JA共済 書道・交通安全ポスターコンクール表彰式2026年2月9日 -
彩りも食感も「セルリー・パセリ・サラダ菜フェア」開催 JA全農2026年2月9日 -
『いわて牛枝肉共励会』最優秀賞「いわて牛チャンピオン牛フェア」開催 JA全農2026年2月9日 -
「ALL OF EVANGELION」コラボドリンク みのりカフェ福岡パルコ店で販売 JA全農2026年2月9日 -
衆院選で隠しきった高市氏の軍国主義【森島 賢・正義派の農政論】2026年2月9日 -
高校生にスマート農業特別授業を実施 サタケ2026年2月9日 -
亀岡市と「京都・亀岡保津川公園に係る協力協定」締結 日本農業2026年2月9日 -
無料ウェビナー「農業機械用伝動Vベルトの故障形態とそのメカニズム解析」開催 バンドー化学2026年2月9日 -
日本農業 13億円の資金調達 エクイティファイナンスによる累計調達額は57億円に2026年2月9日 -
独自イチゴ品種「SAKURA DROPS」シンガポールDON DON DONKIで展開開始 CULTA2026年2月9日 -
豪雪地・岩手県西和賀町の地域ブランド「青唐辛子」使用「激辛ご当地ラーメン」誕生2026年2月9日 -
害虫は捉えて天敵は活かす 植物の防御戦略の仕組みを解明 静岡大学2026年2月9日 -
豊橋バイオマスソリューションズとイオンアグリ創造が共同研究 今春からミニトマト生産開始2026年2月9日 -
多拠点生活とスキマバイトで労働力不足解決へ 関係人口創出プロジェクトを支援2026年2月9日 -
速効退治&持続効果を強化「草退治ストロングシリーズ」新発売 KINCHO園芸2026年2月9日 -
食育プロジェクト「学校給食ゆざごっつぉの日学習会」開催 生活クラブ2026年2月9日 -
出生祝いプレゼント 茨城町と子育て支援連携 パルシステム茨城 栃木2026年2月9日 -
住宅街で育つ10種の柑橘「松戸のレモン」が収穫最盛期 千葉県松戸市2026年2月9日 -
産直有機いちごの収穫・出荷 職員が現地で支援 グリーンコープ共同体2026年2月9日 -
公園・里山・農業など気軽に参加「緑のボランティア」メンバー募集中 東京都2026年2月9日


































