小泉農相と経団連懇談 農機もレンタルやリースが当たり前に 農地所有の要件緩和も検討2025年6月18日
6月17日に経団連との懇談会を終え、小泉進次郎農相と経団連の筒井義信会長が記者団からの質問に答えた。小泉農相は今後、農水省と経団連が4項目の課題を検討していく合意について説明。また、今後の検討事項の一つとして、建設業界を例に挙げ、農機を「買うのではなく、レンタルやリースがサービスとして当たり前の業界に変えていかなきゃいけない」と語った。

小泉農相 経団連との懇談会を契機として、農水省と経団連が我が国の食料安全保障の確保という観点から、次の世代のために、生産性が高く、若者が参入したくなる魅力的な次世代に繋ぐ農業を創造していくことの重要性について、認識を共有できた。その上で、農水省と経団連は今後、以下の課題について具体的に検討していくことに合意した。
①企業による農業参入促進の加速化に向けた生産基盤の強化などの施策
②デジタル技術を活用したフードバリューチェーン全体におけるデータ連携・利活用の促進(コメ流通の可視化も含む)
③スマート農業機械などの新技術の開発・利用促進や高速通信環境の整備の加速化
④海外市場の開拓などによる輸出の強化や、安定的な国際協力体制の構築などによる国際的なサプライチェーンの強化

――米の高騰や備蓄米の流通については。
小泉農相 備蓄米の流通に向けて協力をいただいている事業者が経団連の加盟企業にもいらっしゃる。(備蓄米の販売などについて)お礼と、引き続きスピードを緩めずに対応いただきたいという話をさせていただいた。
筒井会長 米の価格の安定化に向けて、小泉大臣の強力なリーダーシップで非常にスピーディーな対応が図れているということについて、お礼を申し上げた。
――合意事項の「生産基盤」は企業の土地取得の話か。
小泉農相 大区画化、大規模化、集約化を徹底的に進める。企業の活力を農業現場に届けることを考えると、一定の経済合理性がなければ参入が見込めないのは当然のこと。自民党、公明党の提言も含めて5年間の集中構造転換で抜本的な強化を位置づけ、大規模化はしっかりと進めなければいけないと思っている。
具体的に、(農地の)リースや農地所有適格法人の要件も一部緩和され、(参入する企業の)数は増えているが、より見直しをしたらもっと企業が目を向けるのではないか。これから具体的に提案をいただくと思う。そういったことに向けた合意事項だ。
――産業界として農政にどのような貢献ができるか。
筒井会長 かねてから経団連は提言も出させていただいた。足元の(米の)価格安定化も重要だ。加えて、中長期的視点から農業の構造改革、食料安全保障政策といった観点から、どのような取り組みをしていくのか。官民でどのように協力し合いながら進めていけるのか。こういう点で、少なくとも議論の土俵ができあがった。
小泉農相 収入保険を議題の一つに取り上げさせていただいた。十倉会長の出身が保険業界ということもあり、民間の保険業界の方から見て、農業の収入保険は商品として魅力的に映るか。率直に伺いたいと思っていたので、十倉会長からご意見いただいたことは大変ありがたく思っている。農業の世界の中だけで見るのではなく、他の世界からも見てどう見えるか、これから非常に大切なことだと思う。意見交換で改めて意義があったと感じている。
――農地の大規模化などへの経団連側の受け止めは。
筒井会長 経団連の提言に明確に織り込まれている。大規模化、集約化に向けて、効率化が必要であるという観点から、民間の経営的視点で貢献していく。法人としての参入はかねてよりの課題であり、我々も課題意識は強く持っている。
――農業への民間参入に向けて、農業活性化委員会のほかに会議体を作るのか。
筒井会長 新しい会議体は考えていない。農業活性化委員会で提言し、連携してきたので、その枠組みを活かして、農水省との連携でコミュニケーションを深め、できる限り協力していくスタンスだ。
小泉農相 この枠組みの中でもかなりできることがありそうだ。(経団連の)役員には建設関係の方もおり、私からも議題の一つとして持ち出したのは、農業機械などが高いと言われる。コンバインが2000万円で、米農家は1年のうち1カ月しか使わない。それなら、買うのではなく、レンタルやリースがサービスとして当たり前の業界に変えていかなきゃいけない。建設業界では重機や建機のレンタルやリースが当たり前。中小の建設企業は、一つの事業や案件にしか使わない数千万円や数億円の機械を持っているか。個人で持っていたらどう考えても経済的にペイしない。建設業界で当たり前に根付いているリースやレンタルも業界に入れていきたい。そんな前向きな意見交換ができた。
――農地の所有適格法人の要件見直しも必要か。
小泉農相 数だけ見れば(企業の参入は)間違いなく右肩上がりで増えている。ただ、食品関係の事業者に限って3分の2までの出資であれば議決権が持てることで十分な面と、むしろもっと緩和をすれば、参入をしたい、できるといった思いがある民間企業がいることも事実。今後、こういったことについても具体的にどのように検討するか、考える必要がある。
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