JAの活動:JA新組合長に聞く
【'25新組合長に聞く】JA中春別(北海道) 西川寛稔氏(6/3就任) 土を作ってきた営みひきついで2025年6月18日
役員の改選期を迎え、全国のJAで新しい組合長が誕生している。折しも25年ぶりに改正された食料・農業・農村基本法にもとづく初の「基本計画」が閣議決定され、今後5年間、農業の構造改革が集中的に取り組まれる。一方JAグループでは、昨年の第30回JA全国大会決議にもとづき、「協同活動と総合事業の好循環」実現、5つの戦略の具体化を進めるが、国際紛争、トランプ関税など日本経済の行方には不透明感も漂う。こうした重要な転換期、農業・JAについてどのようなビジョンをもってJA運営に臨むか。6月3日に就任したJA中春別(北海道)の西川寛稔組合長に聞いた。
JA中春別 西川寛稔新組合長
当JAがある別海町は人口約1.4万人ですが、牛は12万頭。人より牛が多い町として有名で、酪農が盛んです。
北海道では150年の歴史の中、今の担い手は3代目が中心で4、5代目もいます。1代目は開拓者で自分たちで農協を作りました。2代目はその背中を見て育ちましたが、3代目以降にとって農協は「空気」みたいなものです。農協の必要性を再確認しなければなりません。
中春別の店はセイコーマートとAコープだけで、ATMは郵便局と農協だけ。地方にとって農協は生活インフラなのです。中春別から国後島までたった16キロで、この地で暮らしていくことは国防にもつながります。
連日の「小泉劇場」は目に余ります。食料・農業・農村基本法ができましたが農業予算はほとんど増えていません。「5年間の構造改革」のため別枠予算が議論されていますが、土は5年間でできるものではありません。赤土と火山灰しかない地で農民は、牛と馬と一緒に寝泊まりし堆肥を入れながら、土を作ってきました。
今の乳価では、お父さん、お母さんが1年休みなく働いてようやく500~600万円。北海道では巨大牧場の経営は難しい。雇用する人の賃金が払えるほどの所得にならないからです。ただ、あまり乳価を上げたら消費者が買えるかも心配です。生産が継続できる乳価と消費者が買える価格、国にはその間を埋めて欲しいと思います。
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日
-
深作農園「日本でいちばん大切にしたい会社」で「審査委員会特別賞」受賞2025年9月18日
-
果実のフードロス削減と農家支援「キリン 氷結mottainai キウイのたまご」セブン‐イレブン限定で新発売2025年9月18日
-
グローバル・インフラ・マネジメントからシリーズB資金調達 AGRIST2025年9月18日
-
利用者が講師に オンラインで「手前みそお披露目会」開催 パルシステム東京2025年9月18日
-
福島県に「コメリハード&グリーン船引店」10月1日に新規開店2025年9月18日