政府備蓄米 21万t販売 初回は15万t 3月初め入札 農水省2025年2月14日
江藤拓農相は2月14日の閣議後会見で政府備蓄米の売り渡し条件を明らかにした。
売り渡し数量は現時点で21万tとする。昨年12月末に全農など大手集荷業者の集荷量が前年比で20.6万t少なくなっていることをふまえた。この量を流通させることで流通状況の改善を図る。
初回は15万tで、24年産米を10万t、23年産米を5万t販売する。
23年産米を販売するのは業務用等の需要に応えるため。また、販売価格を安く設定できる面もある。初回を15万tと設定するのは、これが大手卸などが1か月に販売する流通量であり、政府備蓄米の販売で流通ルートに1ヶ月分を乗せることで流通の停滞の解消を図る。
売り渡し対象は年間の玄米仕入れ量が5000t以上の集荷業者で、卸売業者等への販売の計画・契約をする業者。農水省によると89社(全農を1法人とすると63)となる。
一般競争入札による売り渡しを行う。高値から落札することになるが、過度な競争が起きないよう申込数量に制限を設け、申請者の集荷数量のシェアを上限とする。
売り渡し予定価格は財政法と予算決算、会計令に基づき設定するとしており、価格水準は明らかにしない。
農水省は2月17日、18日に対象業者向けの説明会と買受資格に関する審査を開始する。
3月初めに入札の公告を行い、上旬に入札を実施する予定としており、早ければ3月半ばから政府備蓄米の売り渡しが始まる。その後、集荷業者から卸に販売され、量販店や業務向けに届くことになる。
落札者の決定後は、売り渡し数量や価格などを公表する。
農水省は買い受けた集荷業者に対して、その後の販売状況を調査し、販売数量と金額を隔週で報告するよう求める。同省は報告内容を取りまとめホームページで公表する。
一方、集荷業者からの買い戻しは原則として1年以内とするが、農水省との協議のうえ延長することも可能とした。買い戻す米は同等、同量のものとする。とくに歩留まりを考慮し同等の等級の米を買い戻す方針。買い戻しは農水省と随意契約する。
江藤農相はもっと早く売り渡しを実施すべきとの批判に対して「甘んじて受けとめる」と述べた。
一方、政府米備蓄の売り渡しで、相対取引価格の下落への懸念があることについて「とにかく今は正常な状態ではない。今の米価は農家のためにならない」、「市場に対して公が影響を与えるのは王道ではない。しかし、あまりにも高く、他に手がない。覚悟を決めてやった以上、結果にも責任を持つ」と強調した。
2回目の入札時期については売り渡し後の需給状況を見極めるとしているが農水省は21万tは販売する予定で、必要に応じて販売量をさらに拡大するとしている。
農水省は小規模集荷業者や生産者など米の在庫調査を行っており、3月中旬にも結果を公表する予定。在庫を抱えて値上がりを待つ業者がいると指摘されているが、農水省も「在庫を抱えている業者がいると認識している」と話す。
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