ドローンによる「水稲直播」に取り組む農家をレポート ヤマハ発動機2021年6月22日
ヤマハ発動機は6月21日のニュースレターで、静岡県浜松市の加茂農園の水田で行われたドローンによる水稲直播の取り組みについて紹介している。
生産者によるドローンの自主運用
同社の産業用マルチローター(ドローン)「YMR-08AP」に装着された粒剤散布装置から、ツヤの良さと白さで人気の静岡県産特A米「きぬむすめ」の黒い種もみが落下していく。5月下旬、静岡県浜松市の加茂農園の水田でドローンによる種もみの散布が行われた。水稲直播は、苗を植えるのではなく、直接種もみを水田に撒いて、田んぼの中で発芽を促す稲作の手法。一般的な稲作と較べて労働負荷の軽減や作期の分散などのメリットがあり、農林水産省も働き手の減少や高齢化対策の一つとしてその拡大を推進している。ちなみに種が黒いのは、種もみの安定した着床や鳥害から守ることを目的に、酸化鉄を原料とする黒鉄をコーティングしているからだという。
「ドローンを使った水稲直播を導入しようと考えたのは、この田んぼの一部に田植え機が入れない深い部分があるから」と同農園の加茂文俊さん。「直播だけでなく、これから除草剤の散布などでもドローンを使うことになるので、それらを自分たち家族で完結していくために自動散布(オートパイロット)機能の付いたモデルを購入した」と話し、この日は産業用マルチローターの技能認定証をもつ次女の裕津季さんが離着陸の操作を担当した。
経費と労働力の大幅な削減に期待
「YMR-08AP」に搭載されたオートパイロットは、あらかじめ設定したルートを忠実に飛行する自動の機能。安全への配慮のため離着陸はマニュアル操作が必要だが、スタートする位置からオートパイロットスイッチをONにすると、その後、オペレーターはモニターで監視するだけでムラのない高精度な散布ができる。
水稲直播による稲作は、手間やコストのかかる育苗等のプロセスを省略できることから、従来の米づくりと比較しておよそ2割の経費と4割の労働力が軽減できると期待される一方、出芽や苗立ちを安定させて品質の良い米をつくるためには、高い栽培技術や基肥・追肥に関する知識も必要とされる。
同社は3年前からドローンを使った種もみ散布の実証実験を繰り返し、さまざまなデータを取得しながらその実用化をめざしており、同農園のように機体を購入した生産者による水稲直播栽培が始まっている。
「機体の監視はタブレットで行います。農作業を手伝っても手が汚れることもないので、私たち若い世代にも親しみやすい」と裕津季さん。普段はJAに勤務しながら、休日には家業を手伝っているという。
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