イチゴのジャストインタイム生産へ 生育センシングシステムを開発 農研機構2022年5月18日
農研機構は、イチゴのジャストインタイム生産の実現に向け、イチゴの生育情報を自動収集する生育センシングシステムを開発。このシステムと生育モデルやAIを活用した生育制御技術とを組み合わせることで、イチゴの収穫日を将来的に高い精度で制御することが可能になる。
イチゴのJIT生産システムの概要
農研機構は2021年4月に農業ロボティクス研究センターを新設し、最先端のロボティクス技術とシステムインテグレーション技術の農業生産現場への展開を通じて、農業・食品産業分野における「Society5.0」の早期実現をめざ指している。このほど、同センターの研究成果として、イチゴのジャストインタイム生産(JIT生産)に向けた生育センシングシステムを開発。同システムにより収穫日予測に必要な生育情報を自動で収集し、本システムと生育モデルやAIを活用した生育制御技術とを組み合わせることで、イチゴの収穫日を将来的に高い精度で制御することが可能になる。
イチゴは日本で最も市場の大きな野菜の一つだが、年間を通じて需要が大きく変動。特に出荷の面では、クリスマス・年末年始の需要に出荷ピークを合わせること、イチゴが多く出回る時期では、切れ目ない安定出荷が求められる。現状では、栽培管理に基づく出荷量の調整は、生産者の経験に基づいて行われており、今後、生産者の減少が続く中、経験や勘に依存せず、生産者がデータに基づき判断できる、新たな生育制御技術が求められている。
同センターでは、生育を精密に制御し、果実の収穫日を需要期の求められた出荷日に合わせられるイチゴのJIT生産システムの研究開発を進めている。今回開発した画像自動収集システム、開花認識AIおよび果実温度認識AIから構成される生育センシングシステムにより、JIT生産に必要な生育情報を人工気象器で自動収集することが可能となった。今後、ハウスでの検証を通じて、生産現場で利用可能なイチゴのJIT生産システムを構築することで、イチゴの需要が高まる時期と出荷の最盛期を確実に合わせることが可能になり、イチゴ農家の所得向上が期待される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(90)みどりの食料システム戦略 現在の技術で実現可能でしょ(4)2024年4月20日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(7)【防除学習帖】 第246回2024年4月20日
-
土壌診断の基礎知識(16)【今さら聞けない営農情報】第246回2024年4月20日
-
地域複合農業戦略に挑む(2)JA秋田中央会会長 小松忠彦氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年4月19日
-
農基法改正案が衆院を通過 賛成多数で可決2024年4月19日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 伊是名島で発生多発のおそれ 沖縄県2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:JA水戸 那珂川低温倉庫(茨城県) 温湿度・穀温 適正化徹底2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ対策を万全に 農業倉庫基金理事長 長瀬仁人氏2024年4月19日
-
食農教育補助教材を市内小学校へ贈呈 JA鶴岡とJA庄内たがわ2024年4月19日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第97回2024年4月19日
-
(380)震災時は5歳【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月19日
-
【JA人事】JA道北なよろ(北海道)村上清組合長を再任(4月12日)2024年4月19日
-
地拵え作業を遠隔操作「ラジコン式地拵機」レンタル開始 アクティオ2024年4月19日
-
協同組合のアイデンティティ 再確認 日本文化厚生連24年度事業計画2024年4月19日
-
料理酒「CS-4T」に含まれる成分が代替肉など食品の不快臭を改善 特許取得 白鶴酒造2024年4月19日
-
やきいもの聖地・らぽっぽファームで「GWやきいも工場祭2024」開催2024年4月19日
-
『ニッポンエール』グミシリーズから「広島県産世羅なしグミ」新発売 JA全農2024年4月19日
-
「パルシステムでんき」新規受付を再開 市場の影響を受けにくい再エネ調達力を強化2024年4月19日
-
養分欠乏下で高い生産性 陸稲品種 マダガスカルで「Mavitrika」開発 国際農研2024年4月19日
-
福島県産ブランド豚「麓山高原豚」使用『喜多方ラーメンバーガー』新発売 JAタウン2024年4月19日