二酸化炭素で生育可能『独立栄養微生物によるCO2資源化技術』発刊 シーエムシー出版2023年12月13日
シーエムシー出版は12月13日、二酸化炭素で生育可能な"独立栄養微生物"を活用したCO2資源化技術についてまとめた書籍『独立栄養微生物によるCO2資源化技術』(監修:新井博之・亀谷将史・石井正治/東京大学)を発刊した。
好気性の従属栄養生物は、有機炭素化合物を取り込んで代謝することによりエネルギーを獲得し、その過程でCO2を排出している。加えて、取り込んだ有機炭素化合物を主に用いて、ほんの少しだけCO2も用いて、生体構成炭素成分を生合成している。そのため、従属栄養生物は生存している限り、CO2を排出し続けることになる。
一方で、独立栄養生物は、光エネルギー、金属などの無機物質あるいは無機化合物が有する化学エネルギーを利用して、生体構成炭素成分をCO2だけを用いて生合成できるため、独立栄養生物は生存している限り、CO2を外界から吸収し続けることになる。
こうした独立栄養生物の特性を巧みに利用すれば、温室効果ガス問題を解決に向かわせることができるだけでなく、CO2を炭素源とした有用物質生産を行える、という考えから、独立栄養細菌によるCO2資源化技術が脚光を浴びている。同書では、対象とするエネルギー源は広く取る一方で、対象生物をラン藻を含めた原核生物に絞り込んでいる。定価は税込6万7100円。
◎著者
新井博之氏(東京大学)、亀谷将史氏(東京大学)、石井正治氏(東京大学)、日高皓平氏(製品評価技術基盤機構)、玉澤聡氏(製品評価技術基盤機構)、佐藤喬章氏(京都大学)、跡見晴幸氏(京都大学)、千葉洋子氏(理化学研究所)、田中美奈子氏(島津製作所)、宮原佑宜氏(東京工業大学)、柘植丈治氏(東京工業大学)、奥宏海氏(水産研究・教育機構)、西原宏史氏(茨城大学)、西川幸志氏(兵庫県立大学)、緒方英明氏(兵庫県立大学)ほか 計32人
◎目次
【第I編 総論】
第1章 独立栄養細菌の炭酸固定経路と基本的性質
第2章 独立栄養微生物の培養・保存法
第3章 メタン生成菌・水素細菌・藍藻などで利用されている遺伝子操作の方法論
第4章 合成生物学による新規独立栄養生物・炭酸固定経路の創出
第5章 微生物代謝によるCO2固定化量の評価
【第II編 CO2資源化技術】
第1章 水素細菌マイクロコンパートメントによるCO2の濃縮・固定機構
第2章 水素酸化細菌による生分解性ポリエステル生産
第3章 水素細菌によるグリコーゲンおよび養魚飼料用タンパク質資源の生産
第4章 ヒドロゲナーゼの反応機構と産業利用に向けた構造化学
第5章 水素酵素によるCO2還元反応と物質・エネルギー生成
第6章 メタン生成菌・酢酸生成菌の培養
第7章 二酸化炭素からの生物学的メタン生成(バイオメタネーション)
第8章 バイオメタネーションを用いたe-methane製造技術の開発
第9章 酢酸生成菌によるCO2資源化
第10章 鉄酸化細菌,硫黄酸化細菌のエネルギー代謝と応用微生物学
第11章 電気を還元力とした微生物変換によるCO2の資源化
第12章 好熱性細菌によるセルロース合成
第13章 硝化微生物の培養・保存法,炭酸固定経路とその応用
第14章 硝化微生物群を活用した人工土壌創製
第15章 光合成独立栄養細菌の培養
第16章 光合成によるCO2の異化的な資源化:緑色硫黄細菌を利用した実例
第17章 焼酎粕で培養可能な光合成細菌と農業への応用
第18章 シアノバクテリアのCO2濃縮機構
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