【注意報】あぶらな科野菜にコナガ多発傾向 防除の徹底を 岩手県2025年5月19日
岩手県病害虫防除所は、あぶらな科野菜にコナガが県下全域で多発のおそれがあるとして、5月16日に令和6年度病害虫発生予察注意報第1号を発表した。
岩手県病害虫防除所によると、基準圃場(北上市)のフェロモントラップへのコナガ雄成虫の誘殺数は、4月第3半旬以降急激に増加し、5月第3半旬には93.3頭(平年8.0頭)と平年の10倍以上となっている(図1)。

特定圃場(軽米町、岩手町)においても同様に、4月第4半旬以降急激に増加し、以降も増加傾
向が続いている(図2、3)。また、5月16日に実施したキャベツの巡回調査において、全ての圃場(県中部、N=10)で産卵が確認され、一部圃場では幼虫も確認された(図4)。
(提供:岩手県病害虫防除所)
仙台管区気象台が5月15日に発表した1か月予報では、向こう1か月の気温は高い見込み。今後さらなる多発が懸念される。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)今後も産卵及び幼虫が多いと予想されるため、圃場内をよく観察し、防除を徹底する。
(2)定植時に薬剤処理
した圃場においても、薬剤の残効期間を考慮し、適期に防除を実施する。
(3)これから定植する作型では、定植時に必ず薬剤処理する。
(4)薬剤抵抗性個体の出現を回避するため、以下に留意する。
・飛来性の害虫であり、ジアミド系殺虫剤の効果が低いコナガは本県に広く発生している可能性
がある。ジアミド系殺虫剤による防除を実施したにもかかわらず、コナガの幼虫が見られる場合は、他系統の薬剤により防除を実施する。
・薬剤抵抗性が発達しやすいため、同一薬剤、同一系統の連用は避け、系統の異なる薬剤をローテーション使用する。また、ジアミド系殺虫剤の使用は1作型1回にとどめ、年間使用回数の削減に努める。
(5)対象作物により薬剤が異なるため、作物ごとに適切な防除を実施する。
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