JAと米の提携増やす 回転寿司のスシロー2014年10月15日
回転寿司の(株)あきんどスシローは、生産者と協働する独自の仕入れスキームを10月から本格的に展開。また、来年から、さらに米の提携JAを増やす。10月9日の事業戦略説明会で明らかにした。
このスキーム「海と田んぼプロジェクト」は、産地の農業者や漁業者と米や魚など食材の育成・生産段階から直接協議して仕入れる取り組み。
農業協同組合新聞10月10日号でレポートしたように、同社は滋賀県のJA滋賀蒲生町の生産者が作る「レーク65」を仕入れているが、26年産米は10月1日から寿司米に適したブレンド米として全国377店の回転寿司「あきんどスシロー」で提供されている。 レーク65はヒノヒカリとキヌヒカリの交配から生まれた滋賀県の新品種。米粒は大きく、粘りはそれほど強くなく、味はあっさりで、寿司米に適していると選ばれた。
同社はそのほかにも茨城県の新品種「ふくまる」をJA茨城みなみと提携して仕入れているほか(同9月30日号1面)、26年産では千葉県のJAきみつも、この提携に取り組み始めた。それらの産地の米もこれから順次、店舗に供給されていく。
さらに27年産からは提携産地を増やし、兵庫県(JAたじま他)や熊本県のJAたまな、岡山県のJA岡山東などでもスタートする。いずれも地域に合った多収穫品種と低コスト栽培で実需者と契約し、安定した生産者手取りを確保しようという取り組みだ。全農パールライスが同社とJAを結びつけるこの事業提案に力を入れている。
このプロジェクトではそのほか、10月から幻の高級魚といわれる「熊野灘の真はた」(=写真参照)を全国に提供している。産地は三重県の尾鷲で三重県漁連との提携で実現したという。
記者会見で豊崎賢一社長は「産地で生産者の食材に対する熱い思いを感じた。われわれと一緒に消費者に届けてほしい」と話していた。
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