全農育成水稲品種「はるみ」が初の奨励品種に JA全農2015年3月6日
JA全農が育成してきた水稲良食味品種「はるみ」が、平成27年度から神奈川県奨励品種に算用されることが決まった。民間企業・団体が独自で育成した水稲品種が奨励品種となるのは、全国で初めてだ。
JA全農は営農・技術センターで昭和58年頃から水稲の新品種開発に取り組んできており、すでに8品種が品種登録されている。
今回、神奈川県の主力品種である「キヌヒカリ」の後継品種として普及が進められることになった「はるみ」は、キヌヒカリとコシヒカリを両親に、良食味・安定生産の特性を持つ品種として、平成7年からJA全農営農・技術センターで開発が進められ、22年から神奈川県内のJAで試作を開始。平成26年に品種登録(出願は21年)された。品種名の「はるみ」は、育成地である神奈川県の湘南地域の「晴れた海」に由来するという。
(写真)
はるみの栽培風景
◆良食味で早生・倒伏しにくい・穂発芽しにくい
「はるみ」の特徴は(表参照)
○出穂期と成熟期は、キヌヒカリと同等の早生
○草丈が低く倒伏に強い
○収量はキヌヒカリと比較して同等からやや多い
○キヌヒカリより整粒が多く、高温登熟に強いので心白・乳白粒が少ない
○キヌヒカリと比べて穂発芽しにくい
○食味はキヌヒカリより優れ、コシヒカリ並み
(写真)
「キヌヒカリ」(左)、「はるみ」(右)の玄米の比較
◆学校給食中心に地産池消で
JA全農神奈川県本部では、すでに県内JAでの試作や、品目研修会などを行い普及拡大に取り組んできているが、今後は学校給食用米を中心に、地産地消で生産・販売の拡大を図っていくとしている。
また、JA全農では、キヌヒカリは兵庫県、滋賀県、埼玉県など全国16県で約4万4300ha(神奈川2100ha。25年作付面積)で作付けされているので、神奈川県以外での普及の可能性を検討していくことにしている。
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