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【リレー談話室・JAの現場から】金太郎飴を排して2015年12月22日

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【川又啓蔵 / JAそうま(福島県)総代】

 「農業改革・農協改革(解体)・TPP」が3点セットで待ったなしの状況になっている。政府がTPPへの参加を表明して以降、各農協の総代会では、「中央会(等)謹製の金太郎飴」としか思えない一字一句までほぼ同じ特別決議が採択されている。

 反対運動を展開して5年が過ぎても世間は「TPPがよく分からないがなんとなく賛成」止まりで、農業者と農協の側(以下、「農業者側」)から、国民(消費者)の無関心が悪いといった主旨の言葉さえ聞こえる。
 農業者側はTPPへの反対理由として「関税撤廃による農業への打撃」を第1に掲げているが、総人口の2%にも満たない農業就業者集団が自分たちへの影響をどれだけ訴えても、国民的コンセンサスを得られるのは絶望的だろう。
 一方、TPPを歓迎しているといわれる産業の就業者は総人口の25%以上。さらに、農業者側と毎日接している国民はほとんどいないが、その歓迎業種といわれる流通や外食産業と毎日接している国民は大多数である。
 選挙に例えれば「候補者・TPP」の固定票が約3割以上ある中、対面握手が全有権者に毎日行われているようなものだ。農業者側には選挙経験の豊富な方が多いが、どちらに軍配が上がり、反転攻勢はどれだけ難しいか分かるはずだ。
 その上、TPP反対側の選挙ビラは金太郎飴。運動員に反対の理由を尋ねても、非関税部分の影響など、農産物の価格低下と農村の崩壊より先に話が進まない。
 つまり、敵の素性や選挙区内の情勢を理解しないまま、金太郎飴のばら撒きと揶揄されても仕方がない。
 私は昭和47年生まれで、物心が発達する年齢期に、GATTウルグアイラウンド、プラザ合意、日米構造協議などが行われ、新自由主義に基づく規制緩和とともに育ってきた。それらの過程を振り返ると、毎回、農業者は大々的反対運動を繰り返すものの、外圧を受け入れ(運動に破れ)、政府による支援策等の条件闘争に移行する。
 そして、それらは補助金となり、ばら撒かれるが、農業者側に多い生活習慣病「ソフト力不足」で、戦略的とはいえない設備投資が行われ、立派な「ハコ」だけが造られる。
 近年、冒頭の3点セットにも有効だとして「6次化」が流行し直売所のオープンが相次いでいる。実際に店舗を訪れると、それらは立派な既存施設(遊休資産)の利活用により行われているケースが少なくない。
 そうした店舗を訪れたとき、その建物の外側を一周するが、GATTウルグアイラウンド農業交渉に関する構造改善の補助金で建設されたと表示されていることが多い。

 今の流れで進めば、参加国間で空中分解しない限りTPPは批准され、毎度おなじみの条件闘争を経て補助金で決着となるだろう。そこでまた戦略的とはいえないハコ造りを繰り返して終わるのだろうか。
 「生活習慣病」の自覚はしても、どれだけ治療を開始あるいは治癒しているか分からないが、TPP反対運動に限らず、待ったなしの改革においては、前記した直売所のような「予期せぬチャンス」に期待することや金太郎飴ではない「自立した戦略」が必要だ。

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