【コラム・目明き千人】都知事の卓袱台返し2016年9月29日
時間をかけて調理をしてようやく"いただきます"の用意の出来た卓袱台(ちゃぶだい)を後から来た人がいきなりひっくり返した。熱い汁をかぶってやけどをした人も出ている。
築地市場は大正12年9月の関東大震災の復興事業の一環として計画され、昭和10年2月に業務を開始した。東京の中央卸売市場では一番古い市場である。それから約80年、戦前、戦中、戦後、高度成長期から現在まで生鮮食品の流通の変化に合わせて築地市場は物流と情報の発信の拠点として機能している。築地市場は昭和46年まで「本場」と呼ばれていた。更に、卸売だけではなく場外市場として食料品の小売、食堂、観光のスポットとしても都民の人気の場所である。関係者の皆さんの努力の結晶だ。
土盛り騒動から始まって豊洲への移転の見直しが始まるが、建物まで全部完成して引越しの時期まで決まった段階でどこまで出来るか。
見直しをするのであれば、これまでの歴史を踏まえて魚類、青果物の流通の構造変化に対応した築地市場のあり方、の原点からが必要だ。現在東京都には11の卸売市場がある。市場の再編、改造、移転等の基本問題の検討が必要な時だ。
現在の築地市場は都心の一等地で敷地は7万坪ある。豊洲は有害廃棄物を排出していた企業が出た後の埋め立て地だ。
老朽化した築地から、活用が課題の豊洲への移転はどのような理屈をつけても掘り起こせば金塊が出てくる話だ。
次に小池知事に期待するのはオリンピックの卓袱台をひっくり返すことだ。
クーベルタン男爵のオリンピックは5輪であるが、現代のオリンピックは金の輪が一つ増えた。この金の輪は開催地によって大きさが違う。オリンピックは参加することではなく、メダルの数と経済効果、GDPを何%押し上げるかということが成功の尺度となった。このためには大競技場の新設、改造、道路、と卓袱台はご馳走が山盛りだ。
宴は大規模で派手な方が楽しいが、宴の後始末、大きな施設の維持、管理、利用等どれくらいの負担を誰がすることになるのか。
卓袱台をひっくり返すと何が出てくるか。
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