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【熊野孝文・米マーケット情報】ごはん大盛り・お替り無料 全国に6000店2018年11月6日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

 農水省がホームページ上に「やっぱりごはんでしょ!」と題するコメ消費拡大のサイトを立ち上げた。このタイトルからしていよいよコメ業界こぞってコメ消費拡大運動に取り組む狼煙かと思って担当部署の穀物課米麦流通対策室に出向いて話を聞いてみた。
 サイト立ち上げの経緯は、コメ消費減は毎年8万tと言われているが、現実は人口減に加えダイエット志向等で、それを超える消費減で「何とかしなくてはいけない」という強い思いがある政策統括官の指示による。ただし、かつてあったコメ消費拡大予算はすでになく、とにかく協力してもらえるよう各企業、団体等にお願いに廻り出来上がったものだという。経緯や予算の問題はともかく、このサイトの応援団のリンクサイトは12もある。その中の一つに全国のごはん大盛り、おかわり無料のお店というのがあったので開いてみると、日本地図上に示された都道府県ごとに見れるようになっていた。そこをクリックしてみるとごはん大盛り・おかわり無料の店が紹介されている。東京を見ると13万5491店のうち、ごはん大盛・おかわり無料の店は2261店舗もある。全国にはそうした店が6000店舗もあるというのだから、これだけあってなぜコメの消費が減っているのか不思議なくらいだ。
 以前、錦糸町で昼時にたまたま入った定食屋に「ごはん、味噌汁おかわり無料」と張り紙がしてあったので、昼食をいただきながら大きなIH炊飯器が置かれているところを眺めていると実に多くの人がご飯をお替りしている。お替りできるご飯は白飯と雑穀ご飯の2種類があり、どちらもひっきりなしにお客がお替りしている。俄然興味が湧いて、この店でどのくらいの人がご飯をお替りするのか知りたくなった。
 この店のことを調べてみると、大手外食チェーン店のなかの1店で、本部にアポを取って取材に出向くと商品企画の責任者からなんと来店した7割の人がお替わりをするという答えを得た。この店の創業者は1886年に日本橋で外食店をオープンしたというのだから老舗で、食文化にこだわりがあり、メニューは一汁三菜が基本。それだけにコメにこだわっており、仕入れるコメは一般的な検査以外に「保水幕」の検査まで行い、一日に何度も試食する。炊きたてが美味いということで、各店舗でそれぞれ炊飯、その場合一升炊きが基本だという。チェーン店は海外でも展開しており、グループ全体のコメ使用量は4万tにもなる。商品企画の担当責任者は「当社で使うコメに選ばれると産地にとってもステータスになる」というぐらいご飯の美味しさに自信を持っている。ただし、チェーン展開するにあたり「ご飯お替り無料」をウリにしていたわけではなく、ご飯をお替りする来店者が多かったことから試験的に1店舗でお替り無料にしたところ好評で全店舗に導入することになったという経緯があり、今やそれがこの外食店発展の原動力になっている。
 ご飯を食べてもらうためにコメ業界が何もしていないわけではない。総本山と言うべき米穀機構は、年代別にきめ細かなコメ消費拡大策を実施しており、中には妊婦にコメを主食にした日本型食生活を認知してもらうために母子手帳と一緒にカラー刷りの冊子を90万冊配布しているほか、ダイエット志向の強い20歳代の若い女性には女子大50校で「3(ごはん).1.2弁当箱」の体験セミナーもおこなっており、これらコメ消費拡大予算として今年度は1億7000万円を計上している。これとは別にもち米は基金が14億円残っており、この中からもち米消費拡大のために予算を計上、全餅工がもち米祭り、全農がマラソンへの餅配布等で2700万円ほど使っている。農水省がコメ消費拡大のために計上する予算はなくなったが、過去に様々な形でコメ業界に提供してきた金は基金として残っているため消費拡大の予算がないというわけではない。
 コメPR予算としては農水省が周年供給安定対策事業として新品種のPRに使ってよい予算が組まれており、これを活用して主要な産地は生産者からの拠出金も併せて一産地4億円程度の資金でテレビCMを流している。コメ以外の作物の生産者から見ればうらやましい限りの対策がコメに講じられているというのが実態である。
 これらコメ消費拡大のための予算はマーケティング的にみるとどうなのか? 「新品種のPRをするより需要の裾野を広げることの方が先ではないか」と言う意見がある。これはマーケティングの専門家の意見ではなく、農水省内部の一部の見解である。

 

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(株)米穀新聞社記者・熊野孝文氏のコラム【米マーケット情報】

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