【花ちゃん・消費者の目】栄養価も高い秋の果物「柿」2019年12月4日
歳時記の晩秋の項をパラパラめくっていたら、無花果(いちじく)、石榴(ざくろ)、棗(なつめ)など難読漢字のテキストに出てきそうな果物たちに続いて、秋の田園風景が思い浮かぶ季語に行き当たりました。それは「柿」です。掲載されている句の数も26句と他の果物を圧倒しています。「里古りて柿の木持たぬ家もなし」という松尾芭蕉の句からも、柿が日本人にとっていかに身近でなじみ深い果物だったかをうかがい知ることができます。
小学生の時、田舎に遊びに行くと先端を10センチほど割って少し開いてある長い竹竿を持たされて渋柿取りをさせられました。先端の割れ目に実と枝をつないでいる果柄を差し入れ、何回か竿を回転させると簡単に柿の実を枝から外すことができました。ずっと上を向いていると首が痛くなるのであまり好きではありませんでしたが、干柿づくりにつまった先人の知恵には、子供ながらに畏敬の念を抱いていました。正月の鏡餅には串柿を飾るなど、柿は身近なものでしたが、私の娘の世代は見たことがない風景です。
11月の下旬、農協の直売所には富有柿や御所柿が並んでいました。「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど、柿は栄養価が高い果物です。実際、100gあたりに含まれるカロテンは皮つきリンゴの15倍、ビタミンCもイチゴと同等かやや上回るくらい含まれています。ビタミンCは酸っぱい果物に豊富というイメージがあり、意外かもしれませんが、柿にはビタミン類が豊富に含まれているのです。この栄養価の高さから海外でもKAKIとして知られ多く栽培されているそうです。今では高級果物というイメージもある柿ですが、日常的に食べる機会がもっと増えるといいと思います。
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【花ちゃん・消費者の目】
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