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【森田実の政治評論】コロナ禍・医療崩壊・経済破綻を喰い止めるための政治の責任を問う2020年4月28日

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【森田実 / 政治評論家・山東大学名誉教授】

「民を貴しと為し、社稷之れに次ぐ」(孟子)


◆政治における理想と現実
 「社稷」(しゃしょく)とは国家(政府)のことです。「社」は土神を祀り、「稷」は穀神を祭るものです。古代、国ができると土神と穀神を祭りました。ここから国家のことを社稷と言うようになりました。日本でも奈良時代までは、国家(政府)のことを「社稷」と言っていました。孟子は、人民があってはじめて国家があり、君主がある。民が主であり、政治においてはあくまで民が第一、という考えに立っていました。古代中国の政治理念は、理想主義的性格が強かったのです。
 しかし、人類史を振り返ると、人民の利益よりも政治権力者の利益を重視する政治が罷り通った時代が長くつづきました。奴隷制時代、封建制、資本主義におけるブルジョア階級の支配の時代において、大多数の人民大衆は被支配階級の立場におかれてきました。
 現代は「民主主義の時代」と言われていますが、人民が主人公だというのは建前に過ぎず、実際は圧倒的多数の人民大衆は被支配階級に属しています。
 とくに1970年代の石油危機以降の新自由主義・競争至上主義経済の時代においては、大部分の富がごく一部の上流階級に集中し、第二次世界大戦後の国民大衆の多くは生活苦にあえいでいます。第二次大戦後の平等主義的政治は、新自由主義革命によって潰されたのです。現代社会は、ごく少数の大富裕階級と大多数の貧困層と一部の中間層に分裂しています。社会全体が不安定化し、弱体化しているのです。
 こうした状況下で、新型コロナウイルスの直撃を受けました。感染症は瞬時に全世界に広がりました。2020年4月現在、人類とコロナとの闘いは山場を迎えています。日本においては5月上旬のゴールデンウィークが正念場です。政治だけでなく、全国民にとって大きな試練の時がきています。

 
◆前門の虎、後門の狼
 新型コロナウイルスが「前門の虎」だとすれば、経済破綻が「後門の狼」です。新型コロナウイルスの感染を阻止するには、人と人の接触を止めるしか方策はありません。インターネットの普及によって自宅での仕事が可能になったとはいえ、これができるのは一部です。人と人との接触を止めることは経済活動をやめることを意味します。
 貯蓄があればしばらくの間、仕事を休んでも生活できますが、無貯蓄の貧困層にとっては死に直結します。大失業時代が近づいてきます。
 新型コロナウイルス感染症は、大天災です。こういう時、国民社会全体を救済できるのは政府だけです。政府には全力をあげて国民全体を救済する義務があります。政府は「民ファースト、政府セカンド」の立場に立たなければならないのですが、ごく最近まで、安倍内閣は、国民の生存よりも「安倍内閣ファースト」立場に立っているのではないかと、疑いたくなるような状況にありました。
 その一つが「全国民への一律10万円支給」問題をめぐる混乱でした。
 野党と自民党の若手が求めていたこの要求は、政府自民党指導部によって「困っている家庭への30万円支給」にすり替えられました。総額でみると「一律10万円」の場合、12兆円以上になりますが「一家庭30万円」は約4兆円です。裏で財務省が動いたと言われています。巧妙に政府支出を減らそうとしたのです。
 「一家庭30万円」の政府案に、国民は失望しました。安倍政権への国民の評価はきびしくなりました。
 ここで、二階俊博自民党幹事長と公明党の山口那津男代表が動きました。安倍総理も、二階幹事長と山口代表の提言を受け入れ、方向転換をしました。安倍総理が、自らが行ったことにこだわったら、安倍政権は潰れる、と私はみていました。安倍総理はぎりぎりのところで、目を覚ましたのです。山口那津男公明党代表の強い覚悟が、安倍総理を改心させたと私は見ています。山口代表は代表辞職だけでなく自公政権からの離脱も考えていたようです。
 安倍総理の今回の方向転換は、政府建て直しの第一歩にすぎません。たとえコロナ禍を乗り越えることできたとしても、経済破綻を喰いとめることはできません。

 
◆世界大恐慌の足音が聞える
 2019年末からコロナ禍がなくても、世界経済は危機的でした。アメリカはトランプ政権のもと米中対立を仕掛け、米国だけの繁栄を狙っていますが、世界経済が混乱して米国だけが繁栄することはありえません。EU諸国は、移民問題とナショナリズムの高揚に揺れています。EU理想主義は壁にぶつかり、経済的繁栄にも黄信号がともっています。日本も不況下での増税という大失政で、不況色を濃くしていました。
 中国も繁栄の時代が終り下降局面に入っていました。
 ここでコロナ禍が起こったのです。2020年の世界経済は停止状態です。世界大恐慌の足音が聞こえ始めています。全世界の主要国の協調体制ができるか否かに、人類社会の将来がかかっています。攪乱者トランプの存在が不気味です。

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