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(198)米国のトウモロコシ、収穫開始!【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2020年9月18日

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北半球では「収穫の秋」が目前に迫っています。米国のトウモロコシも収穫作業が動き始めました。9月13日時点の全米主要18州の平均収穫進度は5%です。これは前年同時期の3%より少し早く、過去5年間の平均である5%と同水準です。少し振り返ってみました。

トウモロコシの収穫が米国中西部コーンベルトで始まった。全米平均はまだ5%と平年並みだが、今後、主要産地での収穫作業が順調に進展することを望む関係者は米国だけでなく世界中に多い。トウモロコシ関連ビジネスのすそ野はかなり広いからだ。

米国農務省は毎年3月1日時点の農家の意向調査に基づき、3月31日に新しいシーズンの作付け意向報告を発表する。トウモロコシの数字を見ると、今年は9699万エーカーである。2019年は8970万エーカー、2018年は8887万1千エーカーであったことを踏まえると春先の米国農家はかなり意欲的であったと考えられる。ちなみに1エーカーは0.405ヘクタール、逆に1ヘクタールは2.47エーカーであるため、エーカーの数字に0.4を掛けるとヘクタールになる。

さて、現実にどの程度作付けされるかはその後の天候や相場状況により変化することは言うまでもない。実際の作付面積は6月30日にエーカレッジ報告として公表される。5月30日から6月16日の間の調査に基づいた数字は9200万6千エーカー(月末までの作付け予定223万9千エーカーを含む)である。

ここで、トウモロコシだけでなく、小麦と大豆を合わせた3品目をまとめてみると興味深い。作付け意向と実作付けの差は以下のとおりである。

作付意向面積と実作付面積の違い(3品目、単位:千エーカー)

3品目合計で見た場合、違いは約500万エーカー、つまり約200万ヘクタールである。面白いのは小麦と大豆の増減に比べ、トウモロコシの変化がはるかに大きいことだ。1ヘクタールは0.01平方キロメートルである。例えば、北海道の面積8万3450平方キロメートルは、834.5万ヘクタールとなる。200万ヘクタールと言えば、北海道の4分の1、本州では四国全体が1万8800平方キロメートル、つまり188万ヘクタールのため、減少面積は四国より一回り小さいくらいに相当する。

話を戻すと、今シーズンの作付け意向と実作付面積の違いは、3品目の合計で約500万エーカー(つまり日本で言えば四国全域くらい)減少したが、その大半(498万エーカー)がトウモロコシによるということだ。
次の疑問は、これが特定地域なのか、それとも全米でほぼ同様に発生したかである。米国農務省の資料を州別に個別検討すると、トウモロコシの減少分498万エーカーのうち、主要18州は423万エーカーと85%を占める。言い方を変えれば、主要18州における作付け意向と実作付けの違いはトウモロコシ全体では▲5%ほどになる。大半の州が10%以内の減少であり、大きく減少しているのは、ノースダコタ州(実作付けが作付け意向の75%、以下同じ)、サウス・ダコタ州(同90%)、テキサス州(同89%)程度である。

9月11日の需給見通しでは今シーズンのトウモロコシ生産量は先月の見通しから下方修正され、149億ブッシェル、単収178.5ブッシェル/エーカーが報告されている。

一言で言えば、生育期間全体に継続した高温乾燥気候、7月にコーンベルト全体に発生したストームの影響で予想単収が低下したことが生産量の減少をもたらしているようだ。

また、需要面では飼料用、種子・食品・工業用なども少しずつ減少しているが、例えば、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んでいたガソリン需要が完全に回復していないことがエタノール需要の減少にも影響を与えている。輸出は微増しているものの、期末在庫は多少減少し、その結果としてシーズン平均価格も先月の3.10ドルから3.50ドルへと昨年の3.60ドルレベルに近づく見通しが出されている。

世界のトウモロコシの生産数量は今や12億トン弱であり、貿易に回る数量も1.8億トンに達しています。1ブッシェルを約25kgとすれば1トンの価格は3.5ドルの40倍、つまり140ドルです。これが12億トンありますので単純計算で1680億ドルになります。円換算すると農場ベースの平均価格だけでも16兆8000億円になります。実際にはそこから輸送や保管、加工、保険など様々な費用がかかります。

さらに、現在のトウモロコシは飼料用だけでなく、工業用(バイオ燃料の原料など)としても様々な場面で使われています。本当の市場規模はこの何倍あるのか考えてみると、実は順調な収穫を望むのは農家の何倍もの人や企業であることが見えてくるのではないでしょうか。


本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
三石誠司・宮城大学教授のコラム【グローバルとローカル:世界は今】

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