右脳に訴えておにぎりの販売量を増やす方法【熊野孝文・米マーケット情報】2022年10月11日
これまでに何度となくおにぎり(お結び)店舗を取材してきた。多くは米穀店が精米販売以外に新たな収益を確保するために始めたケースが多かったが、その中の成功事例としてカリスマ的パート主婦の販売店員がいる店で直接話を聞く機会があった。その時にそのパート主婦から「女性はコメを買うときは左脳で、パンを買うときは右脳で判断する」と言われた。何のことだがわからなかったが、パート主婦によると「コメは生活のために買うが、パンは楽しさを選ぶために買う」とのこと。おにぎりも楽しさを演出できるように右脳に訴えるようにすればもっと売れるというのである。
おにぎりを最も多く販売している会社と言えば、セブンイレブンで年間20億個も販売している。おにぎり以外の米飯類を含めると使用するコメの量は20万トンを超える。文字通り日本一のコメのヘビーユーザーで、コメの仕入れでは「おにぎり」専用のコメの指定までしている。
そのセブンイレブンが今年初めてNPO法人「TABLE FOR TWO」が主催する「おにぎりアクション」の協賛企業に名乗りを上げた。同NPOは食を通じて世界の食料・健康問題解決に取り組むという活動をおこなっており、8年前からおにぎりアクションという活動を始めた。これはこの活動に協賛する企業や自治体と組み、おにぎりの入った写真を投稿すると1枚につき途上国の学校給食5食分が提供されるという仕組みで、これまでに世界400か所9000万食が提供されたという。10月6日から一か月間おにぎりアクション2022が開催されることになり、同日にズーム上で記者会見が行われた。
主催者はこの活動の趣旨について、世界では肥満の人が20億人いる一方で飢餓に苦しむ人が8億人もいる。こうした食の不均衡を解決するために取り組んでいる活動で、飢餓に苦しむ地域では学校給食が唯一の食事というところもあり、学校給食を提供することによって、教育機会の向上や就学率の向上にも役立っているとした。コロナ禍で食糧価格の高騰もあり、飢餓に苦しむ人が増えており、今年は160万食を届けられるようにしたいと述べた。
初協賛したセブンイレブンは、現在店舗数が2万1,372店で、おにぎりの販売は1978年に開始して、昨年は20億個販売した。生産者が大切に育てたコメを低温精米して、おにぎりにしている。おにぎりアクションに協賛してSDgsのゴール達成に向かいたい。具体的には投稿された写真1枚につき学校給食を10食分提供するとして、消費者への告知として店頭におにぎりアクションのポスターを掲げるほか、490万人いる公式ツイッターや95万人のフェイスブックからも情報発信してもらうことにしているとした。
初協賛としては宮城県も登壇、みやぎ米推進機構マーケティング本部長を務める村井知事自らビデオメッセージを届け、協賛飲食店を応援、独自の企画も紹介した。
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