シンとんぼ(28)スマート農業は役に立つのか?②2023年1月28日
シンとんぼは、前回から「スマート農業」をテーマにして、それが現場にどのように役立っているのか?将来の見込みは?といった疑問を検証することにした。例によって無謀なチャレンジになるかもしれないので、その際は、どうかイチ昆虫の戯言とお許しいただきたい。
それでは、まずはスマート農業とは一体何かである。
早速ググってみると、農林水産省の定義がヒットした。それによると、スマート農業とは、「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」ということだそうだ。簡単にいえば、現在の最先端の技術を駆使して超省力化や匠の技に匹敵する高品質生産を可能にする農業ということのようだ。超省力化となっているが、その超がどの程度のものか追々検証していくことになると思うが、少なくとも作物によっては、現在の人力に頼っている作業体系よりもより省力化が図られるようになるのは間違いないだろう。
ついでに、定義で出てきたICTを調べてみると、ICTとは、Information and Communication Technologyの略(訳 情報通信技術)であり、通信技術を活用した、情報処理、産業やサービスなどの総称をいい、農業ICTとなると農業で活用する情報通信技術ということになる。
また、スマートという言い方も気になった。「スマート」は英単語の「smart」に他ならないが、この言葉は、日本人であれば「痩せている」とか「華麗な」といった訳がすぐに思いつくだろう。
ところが、「スマート農業」のスマートとは、「賢い」や「ハイテクな」とか、加えて「精密な」、「高感度な」、「機敏な」といった異なった意味で使われている。もちろん、無駄を省いたスマートな農業経営といった意味もあるだろう。
以上を整理すると、「スマート農業」とは、ICTやロボット、AI(人工知能)などをフルに活用し、効率良く、高い技術力で、省力的に農作業を行う、次世代の農業の形を示しているということなんだと思う。ずいぶんとメリットがありそうだが、スマート農業の主なメリットには3つあるそうだ。1つめが農作業の省力化・労力軽減が図られること。2つめが匠の技の伝承に一役買うこと。3つめが農業生産振興に役立つことだ。どれもありがたいメリットであるが、国の定義にある超まで達しているのかどうか検証が楽しみになってきた。今後、それぞれのメリットの検証をやっていくことになると思うが、次回は、スマート農業と呼ばれるものにどんなものがあるかをご紹介しようと思う。
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