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唯一の武器を放棄するなかれ【小松泰信・地方の眼力】2024年2月7日

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「みなさんは、選挙に興味があるだろうか?(中略)十八にもなれば選挙に行ける(権利があたえられる)。ぜひとも選挙に行き、日本に人々に自分にとっていいなと思った立候補者に票を投じてほしいものだ」(日本中学生新聞、2023年3月創刊号)

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直訴から始まる主権者教育

2月4日、京都市と前橋市において市長選が行われた。投票率は、京都市が41.67%、前橋市が39.39%。こんな低投票率に危機感を覚えた小学生の直訴が市長を動かし、「模擬選挙」が行われた。報じたのはNHK「おはよう日本」(2月2日7時台)。
時は2023年11月21日、舞台は山口県の宇部市立小野小学校。直訴したのは、同年4月に行われた宇部市議会議員選挙の37.5%という過去最低の投票率に心を痛めた才木心春(さいき・こはる、5年生)さん。大好きな地域には深刻な過疎化が影を落とす。地域の将来を考えると棄権はあり得ない。「もし私だったら絶対行かなきゃと思うけど、投票率を知ってほかの人はどうなんだろう」と思い立ち、5月に宇部市役所を訪れ、篠崎圭二(しのざき・けいじ)市長に訴える。
「こんにちは、宇部市長様。いきなりですが、私は子どもたちも投票に参加してもいいと思います。18歳になったときの投票の練習になると思います。なのでぜひ宇部市から始めてみてはどうですか」と。効果てきめん、選挙管理委員会、教育委員会、地元の人たちの協力を得て、本格的な「選挙」が実現することに。
「よりよい小野地区のための取り組み」を争点に1週間の選挙戦が始まる。候補者は、取り組みに賛同した4人の現職市会議員。全校児童21人は休憩時間など時間を見つけては、校内に設置された候補者のポスター掲示板の前で議論を交わす。手には選挙管理委員会が作成したふりがな付きの選挙公報。生徒たちは大人顔負け、いや大人では見かけぬ意見の出し合い。投票前日には、候補者と児童の討論会が開かれた。政策をアピールする候補者に、政策から身の回りの疑問まで率直に質問する児童。
そして迎えた11月21日、投票所となる公民館を訪れた21人は、まぎれもない清き1票を投じた。投票後、生徒の代表は「こんなに緊張するんだと思いました、何か改善できないかなということを帰って考えてみたいと思います。皆さん、本当にありがとうございました」と、関係者に向かって立派なあいさつをした。
才木さんは、「選挙というのがどういうものか分かるからきょう、選挙の体験をしてみて本当によかったと思います。18歳になっていちばん最初にあった選挙はまず必ず行って、大人になってからの見方というのを早く感じてみたいです」と語る。
彼女の母親は、「私の中であの箱の中に入れるだけが投票と思っていたんですけど、自分たちの未来を託す一票、思いを込めて入れる一票という、一票の重さが私の思いとはまったく違っていたので、私としては勉強になりました」と語る。
模擬選挙から約2カ月後、教室では選挙の課題についての話し合いが行われた。
「今この投票率の低さを大人の人はどうすれば良いか?」という教師からの問いかけに、「シンガポールみたいに罰金制度にしたら」「食べ物につられるから(投票所に)食べ物は重要」「投票所を身近な場所に」「インターネットで簡単に演説を聴きたい」「もっと明るい投票所に」などが提案された。
そして、「今の大人がちゃんと投票してくれないと、自分たちが今度大人になったときに、社会がどうなっているのか、大変なことになっているのか、それともいい方向に向かっているのか、分からないような気がする」との意見も出された。
この「模擬選挙」は、われわれに大切なことを問いかけるとともに、生きた主権者教育のあり方を教えている。

こんな子どもたちも

信濃毎日新聞(2月2日付)は、長野県塩尻市桔梗小学校4年2組の児童が1月31日、能登半島地震の被災地の義援金に充ててほしいと、育てた野菜の売り上げ代金4,065円を塩尻市に届けたことを伝えている。総合学習の時間で育てた野菜や花を保護者に販売して得たもの。2023年末時点では海外の紛争地で役立ててもらおうとの意見もあったが、冬休み明けに話し合い、能登半島地震の被災者支援に使ってもらうことにしたそうだ。視野の広さと地に足の着いた取り組みに感心する。
北國新聞(2月4日付)は、生後2カ月で熊本地震に遭った小学2年生の富永千陽(ちあき)君から、石川県穴水町に被災者を気遣う手紙と義援金が届いたことを伝えている。千陽君は、2016年4月の熊本地震時には母親に抱きかかえられ避難し、1週間ほど車中生活。「大変だったけど、全国各地のみんなが助けてくれた」と当時のことを教わった。今回の被災者は「きっと熊本の時よりも寒いだろうな」と感じ、お年玉の中から送ったそうだ。手紙には「くまもとじしんのときにたすけてくれてありがとうございます」「あったかいおふろにはいってください」などと記されているとのこと。優しいね。

大人たちよ大丈夫かい

冒頭で紹介した「日本中学生新聞」の創刊者兼記者である川中だいじ氏は、「学校などでぼくたちは『良い行いをしなさい』と教えられる。だが、よく考えてみると大人たちは良い行いをしているのだろうか?と疑問に思うことがある。(大人の悪行列挙は略)まだまだあるがこれまでとしておく。見ての通り、悪い見本が多くあり過ぎる。あなたは胸をはって未来を担う子どもたちに『良い行いを』といえるでしょうか? ぼくたちが話を素直に聞きたいと思える大人であって欲しいものだ」と、真正面からわれわれ大人に問いかけている。あなたならどう答えますか。少なくとも選挙権を放棄する人には答える資格はない。もちろん悪行を重ねる政治家、それを見て見ぬふりの同業者も資格無し。

この子どもたちを裏切らない

「悪い見本」の一人が盛山正仁(もりやま・まさひと)文部科学相。教育行政を司り、最も胸をはって子どもたちの前に立たねばならないはずの大臣が、政府の調査で200億円超にのぼる被害をもたらした世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体から、2021年の衆院選で推薦や支援を受けていたとなれば、子どもたちに合わせる顔はない。可及的速やかに大臣辞職さらには議員辞職によって、政治家そして文部科学相としてのけじめを付けねばならないはず。
責任を取らねばならないのは彼だけではない。一方では裏金づくりという犯罪行為を組織的に行い、他方ではアメリカの顔色ばかりをうかがい、国民の声や叫びに耳を傾けることのない政治屋たちも同罪。加えて、こんな人たちの所業によって劣化していく政治に危機感を抱くこともなく、選挙権という唯一の武器さえも放棄する有権者にも猛省を促したい。こんな情況を見て育つ子どもたちに、主権者意識が醸成されるわけがない。少なくとも当コラムは、ここで紹介した小学生や中学生に後ろ指を指されないように、彼ら彼女らが大人たちに穢されることなく、こころから清き一票を投票できる社会を創るために書き続ける。

「地方の眼力」なめんなよ

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