米卸の再編など 事業戦略支援を強化―全米飯2017年6月12日
全米飯(全国米穀販売事業共済協同組合)は6月8日の総会で28年度の事業・決算報告と29年度事業計画を承認した。29年度は30年産からの米政策の見直しに向けた生産・消費動向などについての情報発信とともに、業界の再編等をにらみ、組合員各社の事業戦略強化を支援に力を入れる。
平成30年産以降、行政による主食用米の生産数量目標の配分が実施されないなか、生産者自らの経営判断で需要に応じた生産を行うことが求められいるが、流通ルートでもネット販売の拡大などさらに「複線化」が鮮明になってくる。
こうしたなか米卸業界は産地・農業団体とのマッチングなど仕入れの多様が求められてくる。
一方、農業者の所得向上を実現するため、農業関連業界の再編・参入促進など環境整備を図る農業競争力強化支援法が今国会で成立し8月から施行される予定となっている。同法制定の契機となった、昨年秋に政府が取りまとめた農業競争力強化プログラムで米の流通、加工の合理化を進めることとされている。
こうしたなか全米販は29年度、買取販売を増加させるなどの全農改革の機会も捉え、組合員企業の川下・川上への進出、流通合理化など、事業戦略を支援する体制を構築する。そのため4月1日に全米販に事業戦略支援室を新設した。
また、米取引の活性化と組合員企業の取引環境の整備にも力を入れる。米流通の多様化にともなう仕入支援の一環として、これまで取り組んできた稲作経営者会議、日本農業生産法人協会などとの連携を図る。
情報提供にも力を入れ組合員に提供している週2回のコメ速報では、米政策の見直しの施策動向、産地の作付け動向など事業戦略強化に関わる情報発信に努めるほか、データベースの構築も図る。
事業としてはおこめ券販売計画(29年度800万枚)の達成に努めるとともに、ごはんファンの獲得を目的に27年度に開設したウェブ・マガジン「ごはん彩々」では、サイトで紹介された米の通販も開始する。
9日に記者会見した木村良理事長は業界再編という「ヨコの動きだけなく、産地や需要を取り込んでいくタテの動きも重要」などと、安定した調達先や販路の拡大も課題だと強調し、各企業が「特技を生かさなければならない。スピード感を持ちながら支援をしていきたい」などと話した。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































