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【JAグループの水田農業対策の基本的考え方】JA全中・金井健常務理事に聞く2020年6月26日

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JAグループは6月に令和3年度水田農業対策に関する基本的考え方を決めた。新型コロナ感染の拡大で外食需要が減るなど、米需要が減少するなか、令和2年産米の主食用米は例年並みの作付けも見込まれており、出来秋の供給過剰も懸念される。JA全中の金井健常務は「需要に応じた生産で農家所得を確実に確保することが第一」と強調する。

米の需給と価格安定で
農家所得 確実に確保


金井常務JA全中・金井健常務理事

--JAグループは6月に令和3年度水田農業対策等に関する基本的考え方を決めました。このポイントは何でしょうか。

米の需給と価格を安定させることが第一番です。農家の所得を確実に確保すること、それが最大の課題であり、それには需要に即した生産にしていかなければならないということです。
一方、新しい基本計画が策定され、そのなかで自給率を45%に引き上げるという目標からすれば、飼料用米や加工用米や米粉用米など、主食用米から非主食用米への転作も重要ですが、基本計画では麦・大豆の増産が盛り込まれました。それは国産麦・大豆に対する需要が非常に大きいからであり、こうした需要に即した品目を作っていくことが大事だと考えています。

--主食用米の作付け状況と課題をどう見ていますか。

需給表ベースで見れば作付けはそれほど増えていません。ほぼ昨年並みだとみています。しかし一方で、毎年10万t需要が減っているわけですから、作付けが増えてはいないといっても、かといって減っているわけではありませんから、作柄が平年作であれば供給過剰となることが懸念されます。
ですから、こうした動向をしっかり伝えていくことが課題となっています。このままいけば来年6月末の在庫が200万tを超えてしまいます。価格と在庫量は過去から相関関係にあることが分かっていて、200万tを超えると米価が下がっていく。これが非常に心配されるところです。これまではたまたま不作が続いてきたために需給がバランスしてきただけであって、需給ギャップがあるという基本は変わっていないということです。
米の特徴は簡単に言えば関係者が多いということだと考えています。それは家庭で米の在庫を持っているほか、小売業者と卸業者はもちろん、農家にも在庫があるということです。したがって関係者が少し米を増やす、あるいは逆に少し減らすというだけで全体需給に大きな影響を及ぼすというのが特徴ではないかと思います。急に在庫が増えたり、ひっ迫したりするというのが特徴で、最近の調査ではこれまで6kg程度だった家庭内の月末在庫量が7kgに少し増えている結果ですが、これだけで需給が安定します。これがかりに5kgに減った途端、市場では米が過剰になる。大きな豊凶変動がないなかでは、こうした需給動向を示すのが米だと思います。

--それでは今回のコロナ禍で米の需給にはどんな影響が出ていますか。

 やはり新型コロナ感染症拡大の影響は大きいです。一時的に量販店から米がなくなったと言われますが、それは一時的な話であって、全体としては潤沢に供給されました。ただ、緊急事態宣言による休業などで外食への供給が止まっていたり、お酒が売れなかったりということから、卸が米の在庫を抱えています。
在宅勤務、ステイホームによって家庭で米を食べるようになったのではないかと思うかもしれませんが、実際は外食需要の減少の影響が大きく、それが在庫となっており、これが令和2年産米の出来秋と重なって市場に出てくることになるのが心配です。
こうした米の需給動向について生産者へのいちばんの情報提供となるのが、出来秋の概算金の水準です。生産者のみなさんは昨年秋に概算金を受け取っていますが、その後の需要動向について今お話ししたようなことは、なかなか伝わりづらいところがあります。しかし、やはり現場で農家に状況を伝えいくということは必要だと思います。
そのため農水省とともにキャラバンを組んで現場に出向き、需給情報を提供し需要に見合った主食用供給量となる取り組みが必要となっていることを伝えていきます。とくに今回、農水省は8月末まで営農計画の提出を延期していますから、出来秋ぎりぎりまで需給状況を伝えて主食以外に転換を図るということだと思います。

--とくに何に仕向けるべきでしょうか。

 やはりそれは飼料用米でニーズは大きい。加工用米は日本酒の需要が減少していることもあって需要全体としては減少傾向にあります。輸出用についても新型コロナウイルスの影響で輸出環境は不透明です。
ただ米粉については「ノングルテン米粉第三者認証制度」が整備されたこともあり、やはり世界中でノングルテンの需要が高まっていることに対応していくべきだと思います。欧米ではグルテンフリーレストランが非常に増えています。これは米粉には健康問題を解決できる面があることを示しています。米の生産でもこうした多様なニーズに応えることが求められていると思います。
その一方、自給率低下の要因は油脂と麦、飼料を海外に依存し米の消費が減ったということですから、自給率を向上させるには麦・大豆の増産と飼料自給率を高めることです。その意味でも飼料用米に仕向けることが大事だということです。
当面の課題は元年産米をどう販売していくかですが、一方で出来秋に向けて2年産の主食用米供給量を需要に合わせていく取り組みを最大限行わなければなりません。
そのうえで3年産に向けては麦・大豆の増産にどう取り組むかが課題になると思っています。そのために水田活用の直接支払交付金を万全に確保する必要があることなど、JAグループとして政策提案もしていきます。
 


麦・大豆の増産へ
中小・家族経営も


--麦・大豆についてはどういう対策が必要でしょうか。

麦・大豆の増産にはこれまでも取り組んできましたが、ここに来て国産に対する消費者の需要が高まっていることがこれまでと違っていることだと思います。量販店に行くと国産麦使用という商品が本当に多く並んでいます。やはり消費者の意識も変わってきたということがあると思います。

--これをチャンスと捉えて増産に結びつけようということですね。

そうです。ただし、どういう麦が必要かということをこれから実需のみなさんとよく相談していく必要があります。
小麦は日本では麺用が多いですが麺用以外も含めて検討する必要がありますし、また、麺用でもどういう麺用がいいのかについても要望をよく聞いて生産していくことが求められていると思います。大豆も同じように需要に応じた生産をしていくことが必要です。


--JAグループはこれまで地域水田農業ビジョンの実践などに取り組んできましたが、今のお話から、改めて地域ぐるみでの水田農業の展開が大切になっているように思います。

今回の基本計画では、中小・家族経営をしっかり位置づけようということになりましたね。これは大きな変化だと思っています。やはり大規模農家だけではなく中小・家族経営を巻き込んでいくという取り組みを進めていきたいと思っています。
同時にこれは農村振興とセットかもしれません。
基本計画で農村振興について「しごと」、「くらし」、「活力」を3本柱にして、半農半Xなども位置づけようとしています。今回のコロナ禍で思うことですが、地方で農業をもう一度見直してもらって、いろいろな人に半農半Xをやってもらえればいいと私は思います。
ただ、考えてみれば、そもそもは少子高齢化をはじめとするさまざまな環境変化のなかで、大規模農家だけで農地を維持して生産することには無理があるという議論があったわけです。そこから今回の農村振興策が打ち出されてきた。つまり、議論しているときは新型コロナは発生していませんでした。
それがコロナ禍のなか、過度な一極集中から地方分散へといった意識が生まれてきて、まさに今回打ち出した農村振興策がぴたっとはまったということになると思います。半農半Xについても、地方でテレワークしながら農業をするというイメージも出てきて、ある種これからの新しいトレンドになっていくという議論も始まっています。
一方では量販店で米や小麦粉がなくなったということもあって、食料安全保障が国民的な問題になってきたことも事実だと思います。われわれはずっと食料安全保障の確立が重要だと主張してきましたが、これが国民の腹にもずしっと落ちてきたということではないか。そういう転換のなかで、中小・家族経営をきちんと位置づけて、麦・大豆の増産も含めた水田農業を展開していこうとわれわれは考えるべきだと思います。


--当面の取り組みについて、JAに向けては?

コロナ禍の影響はありますが、基本的には少子高齢化で主食用の需要は減るということは変わっていません。需給によって価格は決まるということですから、適切な需給にもっていくということが大事であることを理解する必要があると考えています。現場のJAのみなさんとともに取り組みたいと思います。


--ありがとうございました。

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