「新時代へ今こそ農協の出番」 第43回農協人文化賞表彰式 受賞者24人の功績たたえる2023年1月27日
「農協運動の仲間達が贈る」農協人文化賞の第43回表彰式が1月26日、東京・大手町の東京會舘で開かれた。今回の受賞者は24人。式には受賞者を始めJAの関係者などが出席し、受賞者の功績をたたえた。
第43回農協人文化賞の受賞者らの記念撮影
24人の功績たたえる
農協人文化賞は、農業協同組合法施行30周年を記念して昭和52年に創設された。多年にわたり献身的に農協運動の発展に寄与した功績者を表彰するもので平成21年の創設30周年を機に、「農協運動の仲間達が贈る農協人文化賞」へと発展した。
今回の受賞者は営農事業部門9名、一般文化部門4名、厚生福祉部門1名、経済事業部門2名、共済事業部門2名、信用事業部門2名、厚生事業部門1名、特別賞2名、女性枠1名の合計24名。
はじめに主催の(一社)農協協会・村上光雄会長と、農協人文化賞選考委員長の谷口信和・東京大学名誉教授があいさつに立ち、受賞者の功績をたたえた。村上会長は「コロナ禍やウクライナ侵攻による農産物価格の低迷や生産資材の値上がりで農業は存亡の危機を迎えています。このようなときこそ農協の出番であり、明るい農業・農村・農協の展望が開かれるよう協力をお願いします」と活躍への期待を込めた。
表彰式にはJA全中の菅野孝志副会長、JA全農の山田浩幹常務理事、JA共済連の村山美彦代表理事専務、農林中金の八木正展代表理事、JA全厚連の中村純誠代表理事理事長が出席し、それぞれあいさつを述べた。
JA全中 菅野孝志副会長
JA全中の菅野副会長は「厳しい情勢の中で経営を断念するなどという状況をつくっては絶対にいけません。JAグループ、協同組合セクターが力を合わせて大地を守り育むことが新しい資本主義のベースと考えており、多くの皆さまと一緒にこの問題に一歩踏み出したいと考えています」と述べた。
JA全農 山田浩幹常務理事
JA全農の山田常務理事は「農業に必要な資源の価格高騰が続く中で各JA組織の先頭に立つ皆さまのリーダーシップのもと、地域の振興や活性化につながる取り組みが数多く実施されており、ご尽力に改めて敬意を表します」と述べた。
JA共済連 村山美彦代表理事専務
JA共済連の村山代表理事専務は、「皆さまの功績に敬意を表します。いま共済事業は逆風の中にありますが、われわれの使命や役割を果たすため愚直に真摯に一緒に取り組んでいくことが使命だと思っていますので引き続きよろしくお願いします」と述べた。
農林中金 八木正展代表理事
農林中金の八木代表理事は、農業者所得向上に向けた担い手コンサルティング事業など新たな中期戦略に触れたうえで、「皆さまは各部門で優れた実績を残されるとともに、長年にわたって農協組織のリーダーとして、組織や地域の発展に貢献をされたかたばかりで、改めて敬意を表します」と述べた。
JA全厚連 中村純誠代表理事理事長
JA全厚連の中村代表理事理事長は、コロナ対応で患者受け入れや看護師の派遣などで大きな役割を果たしてきたことを紹介したうえで、「今後とも農山村地域における保健医療、高齢者福祉へ積極的に取り組んでいきますので支援をお願いしたいと思います」と述べた。
3年ぶりに開かれた表彰式の様子
このあと受賞者一人ひとりに谷口選考委員長から表彰状が手渡された。
また、受賞者による体験発表が1人3~4分ずつ行われた。それぞれが日頃の取り組み内容などを報告し、谷口選考委員長が受賞者の活動の意義などを短く講評した。今回の表彰式は、コロナ感染防止対策として、参加者は受賞者や推薦者などに限られたため、受賞者の体験発表はオンラインでも配信された。
(受賞者の活動内容については後日、JAcomで紹介します)
続いて会場では、特別賞を受賞したワーカーズコープ連合会理事長の古村伸宏氏による記念講演が行われ、昨年10月に施行された労働者協同組合法の意義や全国的な活動の状況などを報告した。
和やかに記念パーティーで懇親
記念パーティーの様子
表彰式を終えたあと会場では受賞者を囲む記念パーティー(懇親会)が和やかに開かれた。参加者は事前にコロナの抗原検査キットで陰性であることを確認したうえで出席した。
はじめに選考委員で元JAしまね組合長の萬代宣雄氏が「誰もが協力して日本の農業さらに日本の農業の発展のため、農家や農村や農家を守るために頑張らなければいけません。これからの活躍を祈念します」と乾杯の発声を行った。
乾杯の発声をした選考委員の萬代宣雄氏
パーティーには、受賞者をはじめ長岡秀人・前島根県出雲市長など推薦人やJAの関係者、選考委員らが参加した。会場では、受賞者が改めて活動状況を報告したり、各選考委員が選考にあたっての感想を述べたりしながら交流を深めた。
最後に農協協会の熊谷健一副会長が「今日の表彰はゴールではありません。これから農家・農村のために皆さんと大いに頑張っていきたい」などと閉会のあいさつをし、1日を締めくくった。
今回の農協人文化賞受賞者は次のとおり。
【第43回農協人文化賞受賞者】
【営農事業部門】(9名)
〇柴田文志氏 あいち豊田農業協同組合前代表理事組合長(愛知県)
〇篠原一志氏 うま農業協同組合前代表理事組合長(愛媛県)
〇児島秀行氏 佐波伊勢崎農業協同組合元代表理事組合長、群馬県農業協同組合中央会元副会長(群馬県)
〇佐藤茂良氏 秋田しんせい農業協同組合代表理事専務(秋田県)
〇池田省一氏 清水農業協同組合前常務理事(現在は清水農業協同組合営農経済アドバイザー)(静岡県)
〇由井和行氏 長野八ヶ岳農業協同組合前代表理事組合長(長野県)
〇岡田源治氏 株式会社三鷹ファーム代表取締役社長(東京都)
〇深町琴一氏 筑前あさくら農業協同組合前代表理事組合長(福岡県)
〇石川幸太郎氏 常陸農業協同組合奥久慈枝物部会会長(茨城県)
【一般文化部門】(4名)
〇高橋正氏 宮城県農業協同組合中央会前会長(宮城県)
〇明田作氏 株式会社農林中金総合研究所客員研究員(東京都)
〇千國茂氏 あづみ農業協同組合代表理事組合長(長野県)
〇珍部誠氏 島根県農業協同組合出雲地区本部常務理事本部長(島根県)
【厚生福祉部門】(1名)
〇堀尾茂之氏 岐阜県厚生農業協同組合連合会経営管理委員会会長(岐阜県)
【経済事業部門】(2名)
〇柚木弘文氏 鹿児島県経済農業協同組合連合会経営管理委員会会長(鹿児島県)
〇松永大吾氏 静岡県経済農業協同組合連合会経営管理委員会会長(静岡県)
【共済事業部門】(2名)
〇大木清志氏 いるま野農業協同組合代表理事組合長(埼玉県)
〇松田保氏 沖縄県農業協同組合元常務理事(沖縄県)
【信用事業部門】(2名)
〇堤武彦氏 唐津農業協同組合代表理事組合長(佐賀県)
〇大川良一氏 さがみ農業協同組合代表理事会長(神奈川県)
【厚生事業部門】(1名)
〇前原和平氏 JA福島厚生連白河厚生総合病院名誉院長(福島県)
【特別賞】(2名)
〇古村伸宏氏 日本労働者協同組合連合会理事長(東京都)
〇【故人】松岡公明氏 元農林漁業団体職員共済組合理事長(東京都)
【女性枠】(1名)
〇仲澤秀美氏 梨北農業協同組合元常務理事(山梨県)
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