中山間守る仲介役に JA愛知東営農部 清水啓行統括課長【JA全中新規就農支援実践セミナー事例報告】2023年2月9日
JA全中は1月26日、東京・大手町のJAビルで「新規就農支援実践セミナー」をオンライン併用で開いた。JAグループは、将来の食料・農業・農村を担う次世代組合員を確実に育成・確保していくことを目標に「次世代総点検運動」に取り組むことにしており、新規就農支援を重点事項の一つとしている。セミナーにはJA担当者ら約90人が参加し、実践報告などをもとに地域にあった新規就農支援を計画的に続ける必要性を確認した。講演と事例報告の概要をまとめた。
JA愛知東営農部 清水啓行統括課長
JAは新城市と森林組合などと担い手支援協議会を設置し、地域一丸となった担い手の確保育成に取り組んでいる。このまま進めば部会員が減少し、生産量が減少すれば市場からの信頼が得られなくなるだけでなく、選果場の利用料を引き上げなければならないという問題も見えていた。
募集段階では、就農相談会を開き希望者と複数回面談し、就農への覚悟と希望を確認し審査会を経て研修受け入れを決めている。会社員からの転職希望が多く、青色申告や農機の操作なども講習するほか、生活費まで含めてその年にいくら貯金できるかという収支イメージも示し、農業経営を意識してもらっている。地域として農業経営ができる人を集めることをめざしてきた。生産部会が主体的に新規就農者の研修を担い失敗させるわけにはいかない思いで支援している。
平成24(2012)年以降、86人が新規に就農した。品目ではトマトが32人ともっとも多い。そのほかイチゴ、露地野菜などで、就農形態ではJA管外からの新規就農者が半数以上を占めている。
成果として新規就農者が部会を活性化している。新規就農者の提案でトマト栽培にココバッグ栽培を導入したところ生産性が向上し、部会員数に変化はないものの販売額が伸びるなど、中山間のトマト産地として活力が出ている。継続的に新規就農者を確保し、彼らがこの地域に暮らし、家を建て子どもを育てる等、地域と関係を持つことは地域経済の活性化につながる。
課題は繁忙期の雇用問題で「しんしろ援農隊員」の募集など、季節雇用の人材確保も重要になっていることに加え、過疎地では業種を超えたマルチワーカーも必要だ。
また、向上心の強い新規就農者は情報収集も早く新規技術の習得と実践に意欲的だが、部会との協調などJAの役割がより重要になる。消防団活動など新規就農者の地域のコミュニティー活動への参加も大事だ。
中山間地域では、これまでのように専業農家を育成することも重要だが、いかに多様な担い手に活躍してもらい農業を維持発展させるかについて、知恵を働かせるJAの役割が重要だと考えている。
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