未収入期間の所得も JAえひめ中央経営支援課 林諭課長【JA全中新規就農支援実践セミナー事例報告】2023年2月9日
JA全中は1月26日、東京・大手町のJAビルで「新規就農支援実践セミナー」をオンライン併用で開いた。JAグループは、将来の食料・農業・農村を担う次世代組合員を確実に育成・確保していくことを目標に「次世代総点検運動」に取り組むことにしており、新規就農支援を重点事項の一つとしている。セミナーにはJA担当者ら約90人が参加し、実践報告などをもとに地域にあった新規就農支援を計画的に続ける必要性を確認した。講演と事例報告の概要をまとめた。
JAえひめ中央営農部経営支援課 林諭課長
過去10年間のデータでは、栽培面積が約5700haから約3900haに減少し、栽培者数も約8700人から約6000人へと減少した。JAとして担い手の育成支援が課題となっている。 担い手の確保・育成ではJA研修園地の整備と拡大に取り組んできた。リタイアする農家から借り受けて整備し、かんきつで484a、野菜で60aの新規就農研修センターほ場として整備した。
研修生の募集は年間18人。JAのホームページへ掲載して情報発信しているほか、農家組合員や県・市町からの紹介で応募がある。就農予定時の年齢が原則満49歳以下で、農業者になることへの強い意欲を持ち、年間1200時間以上受講できる人を対象にしている。研修ほ場での体験や面談を経て受け入れを決める。研修は原則2年間で、農水省の就農準備資金を活用している。
座学で栽培の基礎知識や経営指標、就農計画などを学ぶとともに、果樹、野菜ともJAが専門の技術指導者を派遣し指導する。ハウスの設置も体験する。
JA研修ほ場での実践研修のほか、農業指導士や地域の篤農家での栽培実習も行う。研修ほ場にはない品種の野菜栽培や花木の収穫、荷造りなどを学ぶ。また、行政や関連団体が実施する各種研修会などにも参加してもらう。平成25(2013)年から令和3(2021)年までの9年間の研修受け入れは94人で62人が就農した。
研修生へのサポートとしてフォークリフトや大型特殊自動車、狩猟など免許取得の半額助成や、家賃支援も行っている。就農に備えた支援ではJA組合員加入と就農対象支部への加入手引き、経営資金の借り入れ支援、農地の斡旋などを行っている。地域内の優良農地について農家、農業委員から情報を得ることが大切なほか、耕作放棄地の利用も課題となる。
就農後は行政と連携して定期的に園地を見回り、JAの経営指導員が経営分析と診断を行い、営農指導を行う。経営が安定するまで最低5年間は実施する。また、かんきつの場合は未収入期間があるため農作業アルバイトを紹介するなど所得の確保や、新規就農者を対象にした青壮年部も立ち上げ、地域への定着も支援している。
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