農業の価値を再認識 JA全国青年大会 最優秀に吉田雅氏(埼玉・JA南彩)2024年2月29日
全国農協青年組織協議会(JA全青協)は2月28、29日、東京・文京区の文京シビックホールで、第70回のJA全国青年大会を開き、オンラインを含め、約1300人が参加した。「未来へ種を蒔こう~農業っていいもんだ。~」の大会スローガンのもとに青年の主張、JA青年組織動実績発表、パネルディスカッションなどを行い、農業の価値を再認識した。青年の主張で吉田雅さん(埼玉県JA南彩青年部)が最優秀、活動実績発表でJA山形おきたま飯豊地区青年部が最優秀の千石興太郎賞を受賞した。
農業への認識を共有したJA全国青年大会
主催の全青協・稲村政崇会長は、今日の日本の農業は生産資材の高騰や生産「コスト販売価格への反映など、多くの課題を抱えているなかで「我々の話し相手がいなくなり、青年部組織がなくなることが最大のリスクだ」と述べた。
またJA全中の山野徹会長は、「いま農業と地域は大きな転換期にある。これをチャンスとしてとらえ、持続可能な農業とJAの実現に向けて青年組織と連携して取り組みたい」と青年部にエールを送った。
大会メインの「JA青年の主張全国大会」では、各ブロックから選出された6人の盟友が発表した。最優秀賞受賞の吉田さんは「農福連携への挑戦 未来に向かってステップアップ」のテーマで発表。就労継続支援B型施設「アグリ園」を設立し、農福連携に取り組んでいる。そこでさまざまな人と関わっていくなかで「多様性」を学んだ。農業も同じで「これからの農業は様々な在り方があっていい」ということを知り、挑戦していくと言う。
また活動実績最優秀のJA山形おきたま飯豊地区青年部は「シン・東京米(こめ)物語~交流の力でコロナ禍と大水害を乗り越えろ~」で発表。同青年部は、東京・新宿の小学校で稲作体験出前事業を続けてきた。これが学校給食に「おきたま米」を使ったり、アンテナショップを開設したりする、都市と農村の持続的な交流に発展した。飯豊町が大水害に見舞われたとき、中学生になっていた子どもたちが、ボランティアで農作業にかけつけることもあった。
最後に大会宣言を採択した。特にJA青年部がこれまで積み上げてきた「ポリシーブック」の活用を強調し、「先人たちから受け継がれて情熱と協働の力をもって、これからも農業を魅力ある産業として、次世代へしっかりと続けて行くことを誓い、組織を挙げて取り組む」との決意を表明した。また昨今の農業情勢を踏まえ、「日本の食料安全保障と持続可能な農業の確立へ向けて」の特別決議を行った。
なお大会では令和6年度JA全青協会長に立候補した前原祐樹氏(全国農協青年組織協議会副会長)と、酒井雅博氏(同)が決意を述べた。前原氏は「青年組織に大きな可能性を感じている。先人や盟友の思いを胸に子どもたちのあこがれの職業になるよる全力を尽くす」と決意をのべた。
酒井氏は「都市農業振興基本法のとき、多くの盟友が自分ごととして後押ししてくれた。その恩返しをしたい。都市農業は畑の隣に国民が住んでおり、畑を見てもらって農業の大切さを伝えたい」と、国民理解の重要さを訴えた。
(青年の主張、活動実績発表の詳細は後日紹介します)
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