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JAの活動:畜産現場を支えるJA全農の若い力

畜産農家の経営安定へ飼料の基礎研究で貢献 全農飼料畜産中央研究所(上)2019年7月12日

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 わが国の畜産物需要は伸びているが、一方で経済連携協定の発効など国際化も進展し、生産現場にはより生産性の向上を図ることなどが求められている。こうした課題に技術面から支援しているのがJA全農飼料畜産中央研究所で若い研究者らが日々、農家の悩みに応えようと地道な取り組みを続けている。今回は養鶏と養豚の最新の飼料研究などを聞いた。

【JAの活動】特集:畜産現場を支えるJA全農の若い力 鶏の能力を最大に引き出す技術を開発鶏の能力を最大に引き出す技術を開発

 

安定した産卵へ資材開発 養鶏研究室

 養鶏(採卵鶏、ブロイラー)では育種改良が加速化している。たとえば、育種会社データによると、ブロイラーでは出荷時体重(56日齢体重)は1978年には1808gだったが、2005年には4202gへと2.3倍に増えており成長速度が速まっている。
 飼料畜産中央研究所の養鶏研究室はこのように育種改良の進んだ鶏の能力を最大限引き出し、生産者の収益が向上する配合飼料や生産技術を開発するのが重要な役割だ。
 研究室はブロイラー舎、採卵鶏の雛を育てる育雛舎、成熟後に卵を産むようになった鶏を飼養する成鶏舎を持つ。そこで年間40~50ほどの試験を実施している。

【JAの活動】特集:畜産現場を支えるJA全農の若い力 吉田隼巳さん

 吉田隼巳さん(=写真)は入会7年目。大学で動物の栄養生化学を研究、農家を支えることができる職場として飼料畜産中央研究所に。「日本全体の畜産をバックアップしていきたい」と話す。
 現場を支える仕事のひとつに、農場に出向き格外卵の発生状況の確認とその対策のアドバイスがある。産卵時に正常な卵でも、ケージや集卵ラインなどの老朽化などにより破卵してしまうことがあるという。当然、農家の損失となる。そうした生産設備の点検のほか、温度や風など鶏舎の環境の調査も行う。鶏舎の環境がブロイラーや採卵鶏にどう影響を与えるか、農家では気付きづらい問題点を専門的な知見から調査し、改善策などをアドバイスする。
 「農家と話し合いながら現場でヒントを得て研究に生かす。その繰り返しです」という。
 格外卵の発生率をいかに下げるかは新規飼料などの開発課題ともなる。採卵鶏は日齢が経つと殻が薄くなって割れやすくなる。こうした産卵後期に起きやすい破卵を予防するために養鶏研究室が開発したのが卵殻強化資材「エスク2」である。
 吉田さんは「課題は効果とコストのバランス」だという。効果が優れていても飼料代が上がれば収益を圧迫することになる。開発には卵殻を強くするカルシウムの利用効率を上げるために健康な腸内環境を維持するための生菌剤、ビタミンなどの資材の選抜と配合率が主な研究課題となった。実用化された「エスク2」によって破卵率を1%低下させると10万羽規模の農場で年間200万円以上の収支改善につながるという。

 

◆丈夫な採卵鶏を育てる

 養鶏研究室は暑熱による生産性低下を予防するための夏場対策飼料「フェスタ」も開発している。
 吉田さんによると暑熱によって体内に活性酸素が発生し、それが腸管や肝臓、筋肉などに障害を与え、場合によっては死亡することもある。また、体温の上昇自体がストレスになるほか、汗腺を持たず発汗しない鶏が体温を下げるために過呼吸になることもあるという。
 こうした状態になれば飼料を食べなくなり、産卵しても卵が小さくなる。「フェスタ」に含まれる抗酸化物質は、発生した活性酸素を低下する効果が期待でき、夏場でも飼料の摂取量を維持する働きが生産現場で確認されている。ある農場事例では、これによって夏の3か月で日産卵量が1g増えており、10万羽規模の農場で100万円の増収が見込まれる。そのほか糞量低減のための飼料も開発している。鶏糞処理は大規模化のネックでもある。生産者のニーズはいかにスムーズに糞を処理するか。開発された飼料では約20%糞量を少なくできる。

 

【JAの活動】特集:畜産現場を支えるJA全農の若い力 採卵後、重量など検査採卵後、重量など検査

 

 こうした研究開発をもとに、現在、吉田さんは飼料中のカルシウム量の調節に着目している。鶏が卵殻を体内で作り出すのは夕方以降。そのため夕方以降に与える飼料にはカルシウムを多く配合するなど、「鶏の生態に合わせた飼養方法を検討したい」と話す。
 また今後は採卵鶏の飼養期間が長くなっていることに対応し、「ヒナの頃からしっかりと骨を強くする」ことに着目している。
 採卵鶏は産卵期になると大腿骨に骨髄骨が形成されて、それが毎日の産卵のための卵殻の材料になっていくのだという。したがってヒナの頃から丈夫に育つような飼養方法が確立できれば鶏の健康寿命も伸びて、採卵成績や卵殻質も向上し、結果として農家の所得向上にもつながる。
 「現場で農家が飼養している鶏にどのような飼料が最適か、栄養評価を継続して現場にフィードバックを行うことと、さらに生産性向上が図れる新たな飼養技術の開発の両方が求められていると考えています。やはり農家から"最近は卵のさわりごこち、殻の質が変わった"など、飼養成績や畜産物としての品質の改善効果を実感してもらえることがいちばんの励みになります」と話す。

 

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